2015 Fiscal Year Research-status Report
BMP-9を軸とした新規歯周・顎骨組織再生療法の基盤確立に向けた多面的アプローチ
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26462972
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中村 利明 鹿児島大学, 医歯学域医学部・歯学部附属病院, 講師 (60381183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白方 良典 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (60359982)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | BMP-9 / 歯周病 / 骨再生 / 歯周組織再生 / 歯根膜細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. in vitro 実験系によるヒト歯根膜線維芽細胞(hPDLFs)へのBMP-9の作用 1) BMP受容体の遺伝子発現が認められた。2) BMP-2刺激と比較してBMP-9刺激は、ALP活性、石灰化物形成、骨関連因子の発現を有意に亢進させた。3) ALK-1, -2の遺伝子抑制により、BMP-9により誘導されるosterx, ALPの遺伝子発現は有意に減少した。 4) BMP-9刺激によりSMAD1/5/8のリン酸化が認められ、MAPK阻害剤により、BMP-9刺激により誘導されたALP活性は有意に減少した。5) nogginの遺伝子発現は、BMP-2, -9刺激で有意に上昇した。外因性に添加したnogginは、BMP-2刺激によって誘導されたALP活性を有意に減少させたが、BMP-9刺激によって誘導されたALP活性に有意な影響を与えなかった。 2. Rat 頭蓋骨欠損モデルを用いた in vivo実験系によるBMP-9の骨形性能の評価 Wistar系ラット左右頭蓋骨頂部に直径5mmの骨欠損を作成し,①Control群,②吸収性コラーゲンスポンジ(ACS)群,③rhBMP-9/ACS群,④キトサンスポンジ(ChiS)群,⑤rhBMP-9/ChiS群の5群にて処置を行った。結果, ChiS使用群, rhBMP-9/ACS群における骨量および新生骨面積率はACS群と比較し,有意に高かった。rhBMP-9/ACS群の欠損閉鎖率は,全群間で最も高く,ACS群に対して有意差が認められた。欠損中心部硬組織高さにおいては,ChiS使用群よりも,rhBMP-9/ACS群,ACS群の方が有意に高かった。一方,ChiS使用群ではChiSは吸収し,骨欠損部の両端の既存骨より新生骨の形成が認められたが,骨欠損中心部硬組織高さはControl群と同様であった。また,ChiS群とrhBMP-9/ChiS群の間では全パラメーターにおいて有意差は認められなかった。これらより, ラット頭蓋骨欠損モデルにおいて,rhBMP-9/ACSは骨形成に有効であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、概ね順調に研究遂行されている。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitro 実験系に関しては歯根膜由来幹細胞(hPDLSC)に対する作用を検討している。また in vivo実験系ではBMP-9の骨形成作用のBMP-2との違いを検討する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は1万円以下であり、予定通り使用していると考えている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画通り使用予定。
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