2014 Fiscal Year Research-status Report
アルカリ熱処理チタン表面の歯肉線維芽細胞機能と結合組織性付着獲得に対する効果
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26462978
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| Research Institution | Tokyo Dental College |
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Principal Investigator |
山田 将博 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (90549982)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 薫 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20153950)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 線維芽細胞 / 歯肉線維 / ナノ形状 / インプラント周囲組織 / 表面改質 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
周囲軟組織の封鎖性は歯科用インプラントの長期安定性にとって重要である．インプラント粘膜貫通部に強固な結合組織性付着は存在しない．アルカリ熱処理は，チタン表面の酸化層に多量の水酸基の形成を伴う規則的なナノ多形構造を付与し，その表面ナノ構造体により，接着歯肉線維芽細胞の機能を向上させる可能性がある．本研究の目的は，アルカリ熱処理チタン表面が歯肉線維芽細胞の接着性と機能に与える影響を培養試験的に検証することである．試料として，機械切削面および機械切削面にアルカリ熱処理を施した表面(AH表面)もしくは酸処理を施した表面を持つグレードII純チタンディスクを用いた．ラット初代継代歯肉線維芽細胞を試料上に播種し，D-MEM中で培養した．培養1，4，7および21日目にβアクチンおよび核二重蛍光染色後の蛍光顕微鏡観察，BrdU細胞増殖活性試験，WST-1アッセイおよびSirius red染色と逆転写ポリメラーゼ連鎖反応によりコラーゲン沈着量の評価をそれぞれ行った．培養1日後に，機械切削面上の線維芽細胞は同一方向に配向したβアクチン線維束を伴う，よく伸展した大きな長方形の細胞形態を示した．一方，AH表面上の細胞は，小さな円形ながら葉状仮足と細胞内骨格網の発達を伴い，機械切削面や酸処理表面上では確認されなかった多数のβアクチン線維の点状集束を示した．培養4日後の細胞増殖活性は酸処理表面でのみ減少した．培養7日目のAH表面上の接着細胞数は機械切削面上の値の80％であった．培養21日目のコラーゲン沈着量は機械切削面上に比べて、AH表面や酸処理表面上で約30％大きかった．AH表面と酸処理表面は機械切削表面に比べてⅠ型およびIII型コラーゲンの遺伝子発現は向上した。AH表面は，細胞骨格の発達と接着斑の形成を促進させることで歯肉線維芽細胞を強固に接着させ，かつ，増殖活性を損なわずに歯肉線維芽細胞の細胞外基質形成を亢進することが示された．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、アルカリ熱処理チタン表面上での細胞接着能、増殖能およびコラーゲン基質産生能を化学的および生化学的に評価できており、また、当初の仮説通りの良好な結果が得られているため。
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| Strategy for Future Research Activity |
過荷重や炎症を想定した培養環境下での細胞外基質の剥離程度を計測および超微細構造学的にコラーゲン線維断端とナノ構造の付着様式を検証し、アルカリ熱処理チタン表面はコラーゲン線維断端を封することでシャーピー繊維様構造をとるかどうか、また、実質的な付着強さの増強を示すかどうかを検証する。
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Research Products
(9 results)
