2015 Fiscal Year Research-status Report
骨芽細胞分化誘導能を有する亜鉛徐放型チタン系フレームワークの創製
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26462993
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
福田 雅幸 秋田大学, 医学部, 准教授(病院教授) (20272049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 修 山形大学, 理工学研究科, 教授 (00230540)
高野 裕史 秋田大学, 医学部, 助教 (30282172)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 顎骨再建 / チタン / フレームワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
【平成26年度の結果と平成27年度の目標】 平成26年度に作製した亜鉛徐放型チタン系フレームワーク(以下、Zn-Tiフレームワーク)は、亜鉛イオンを安定して徐放する機能を備えていることが確認できた。平成27年度は、Zn-Tiフレームワークから徐放された亜鉛イオンが骨芽細胞に及ばす影響について検討する。 【方法】 Zn-Tiフレームワークを超純水中に72時間浸漬し、亜鉛溶出液(EZ:Elueted Zinc ion)を精製した。本検討には、株化したヒト骨髄由来骨芽細胞(hBMCs)を用いた。培養皿上で、hBMCs を培養し、骨髄間葉系間質細胞から骨芽細胞への誘導は標準培地で細胞を培養し、細胞がサブコンフルエントに達した後、骨芽細胞誘導培地による分化誘導を行うとともに、最終的に調整した3種類の濃度のEZを添加した。また、分化誘導後の細胞生存率、骨芽細胞分化および基質石灰化に関して、それぞれMTTアッセイ、real time PCR およびvon Kossa 染色を行い評価した。 【結果】 骨髄間葉系間質細胞へのEZの添加により細胞生存率は上昇し、骨芽細胞の分化マーカーであるtype I collagen、osteocalcin(OC)、alkaline phosphatase(ALP)、bone sialoprotein(BSP)のmRNAの発現上昇を認めた。さらに、培養21日目にはvon Kossa染色陽性のカルシウム沈着の亢進を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Zn-Tiフレームワークから徐放された亜鉛イオンを細胞実験に用いたところ、骨髄間葉系間質細胞から骨芽細胞への誘導を有意に促進させ、基質石灰化まで確認することができた。平成28年度は、Zn-Tiフレームワーク周囲の骨形成のスクリーニングを行う予定であり、in vitroからin vivoへの重要な足掛かりとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、Zn-Tiフレームワーク周囲の骨形成のスクリーニングを行う予定である。ラット頭蓋骨での予備実験はすでに終了しており、施行に際しては問題はないと考えている。研究分担者と使用するZn-Tiフレームワークや埋入材料に関して打ち合わせを行い、実験を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
実験材料、試薬、実験助手にかかる費用が当初の予定より低く抑えられたため、平成28年度の実験等にかかる費用に用いることにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は、Zn-Tiフレームワーク周囲の骨形成のスクリーニングを行う予定である。ラット頭蓋骨での予備実験はすでに終了しており、施行に際しては問題はないと考えている。研究分担者と使用するZn-Tiフレームワークや埋入材料に関して打ち合わせを行い、実験を開始する予定である。
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Research Products
(6 results)