2016 Fiscal Year Annual Research Report
Nicotine Induces Lymph Node Metastasis of Oral Cancer Cells through EGFR Activation
Project/Area Number |
26463004
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊原木 聰一郎 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (80549866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 朗 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00170663)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ニコチン |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト口腔扁平上皮癌細胞株OSC-19,OSC-20,HSC-2,HSC-3の培養液にニコチン,nAChR非選択的阻害剤(メカミラミン塩酸塩),α7 nAChR選択的阻害剤(α-ブンガロトキシン),抗ヒトEGFRキメラ化モノクローナル抗体(Cetuximab)をそれぞれ添加し培養した.増殖能はトリパンブルー法,遊走能は創傷治癒アッセイ,浸潤能はマトリゲルを用いて測定した.EGFR発現および細胞内シグナル伝達経路はウエスタンブロット法で解析した.リン酸化EGFRの細胞内局在の検討は,ウエスタンブロット法と蛍光免疫染色を用いて解析した.5週齢雄BALB/C系nu/nuヌードマウスの足蹠皮下へOSC-19を移植後に,ニコチンとメカミラミン塩酸塩を腹腔内注射し,膝窩リンパ節への転移の有無を評価した.
ニコチンはOSC-19,OSC-20,HSC-2,HSC-3の増殖能を促進した。 ニコチンはOSC-19,HSC-3の増殖能,遊走能,浸潤能を促進したが,メカミラミン塩酸塩とα-ブンガロトキシンはその効果を抑制した.CetuximabはOSC-19,HSC-3の増殖能,遊走能,浸潤能を抑制したが,ニコチンはその効果を解消した.ニコチン添加によりOSC-19,HSC-3のEGFRはリン酸化し核内移行した.ニコチンはEGFR下流のシグナル伝達因子AKTを活性化したが,メカミラミン塩酸塩,α-ブンガロトキシンを作用させるとシグナル伝達は抑制された.リンパ節転移動物モデルにおいて,ニコチンはOSC-19のリンパ節転移を増加させたが,メカミラミン塩酸塩は転移を抑制した.マウス足蹠皮下の腫瘍組織を免疫組織学的に検討すると,リン酸化EGFRの核内移行が抑制されていた.
ニコチンはnAChRを介して,EGFRをリン酸化した.リン酸化EGFRは,細胞表面から核内移行し,口腔癌細胞の増殖能,運動能,遊走能,浸潤能を促進しリンパ節転移を促進していると考えられた.
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