2015 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト骨髄由来間葉系幹細胞を用いた安全・安心な細胞治療を行うための基盤整備研究
Project/Area Number |
26463008
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡本 康正 広島大学, 大学病院, 病院助教 (40423371)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 英見 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 教授 (40161765)
岡本 哲治 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 教授 (00169153)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 歯学 / 再生医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
顎骨より採取した骨髄液中に存在する骨髄細胞を含む骨髄液を無血清培地にて初代培養を試みた。hESF7培地に10ng/ml FGF-2をおよび1000ng/mlヘパリンを添加したhESF9培地、hESF9培地に5ng/ml TGF-β1を添加したhESF10培地、血清添加培地であるPOWEREDBY10培地およびhESF+10%FBS培地を用い、詳細な培養条件の検討は、臨床試料を用いた初代培養では難しいことから、樹立骨髄由来間葉系幹細胞 (MSC) を使用して検討を行った。
骨髄由来MSC細胞にE6、E7、hTERTあるいはbmi-1遺伝子をレトロウィルスにより導入して不死化を行ったMSC細胞株を用い、hESF9, hESF10 およびPOWEREDBY10の各培養条件で培養を行ったMSCでは、POWEREDBY10培地で培養を行ったMSCにおいては、ヒトES細胞用未分化マーカーSSEA-3、SSEA-4陽性細胞の発現が認められ、hESF9培地ではSSEA-4陽性細胞は同程度認められたが、SSEA-3陽性細胞の発現は低下していた。さらにhESF10培地ではSSEA-3およびSSEA-4陽性細胞はともに発現低下が認められた。異種蛋白や未知成分を含まない本無血清培地を用いることにより、MSCの増殖および分化機構の制御する各種因子の検討が標準化できると思われる。各段階において厳格な検査を行うことにより、種々の抗原性、感染性因子の除去は可能であったと考えられる。
これらは、空調管理をはじめ、種々の研究機器、個別の培養器具を使用し、感染因子の混入防止とし徹底した管理体制のもとで研究を行った。管理体制、培養技術は年々向上しており、充分な細胞の品質管理が可能であった。
|