2014 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌における腫瘍関連マクロファージによる抗癌剤耐性機序の解明
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26463012
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
笹部 衣里 高知大学, 教育研究部医療学系, 講師 (40363288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 哲也 高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (00200824)
北村 直也 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (70351921)
村田 智子 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (00610916)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腫瘍関連マクロファージ / 抗癌剤 / 口腔扁平上皮癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
【緒言】抗癌剤耐性獲得機序の一つに、治療に用いる抗癌剤の多くが抗腫瘍免疫を抑制することが関与している。近年、慢性炎症により腫瘍組織に浸潤した腫瘍関連マクロファージ(TAM)が、抗腫瘍免疫を抑制するのみならず、癌細胞の浸潤や転移、血管新生を促進して、癌の悪性進展を促進していることが明らかとなってきている。そこで、口腔扁平上皮癌に浸潤しているTAMに対する抗癌剤の影響を明らかにすることにした。 【方法】口腔扁平上皮癌症例3例の生検組織および化学療法施行後の手術材料を用いて、がん組織に浸潤するマクロファージ (TAM) の細胞数と局在を明らかにするため、抗CD68抗体および抗CD163抗体を用いて免疫染色を行い、化学療法の効果との関連について検討した。 【結果】口腔扁平上皮癌症例3例の生検組織において、腫瘍間質の癌胞巣周囲にTAMと思われる抗CD68および抗CD163抗体で染色される細胞が散在しており、その数は正常粘膜と比較して有意に多かった。一方、5-FUを主体とした化学療法施行後の組織においては、化学療法が奏功した1例ではTAMはほとんど認められなかった。一方、化学療法が奏功しなかった2例のうち1例において、腫瘍間質におけるTAMの増加が認められた。 【結論】以上のことから、口腔扁平上皮癌の抗癌剤に対する耐性獲得機序にTAMの浸潤が関連している可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例数が十分でないため、やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔扁平上皮癌の症例数を増やすとともに、予後(再発、後発リンパ節転移の有無)、5年生存率、無病生存率との関連についても検討する。
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