2015 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌における腫瘍関連マクロファージによる抗癌剤耐性機序の解明
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26463012
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
笹部 衣里 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (40363288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 哲也 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (00200824)
北村 直也 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (70351921)
村田 智子 高知大学, 医歯学系, 助教 (00610916) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腫瘍関連マクロファージ / 抗がん剤 / 口腔扁平上皮癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】口腔扁平上皮癌において、癌組織の低酸素微小環境に浸潤しているTAMが、抗癌剤の抗腫瘍効果にどのような影響を及ぼすのかを明らかにする。 【方法】マクロファージ様細胞株(THP-1)細胞をPMAで24時間処理した後、さらに24時間、IFN-γ+LPS処理にてM1マクロファージへ、IL-4+IL-13処理にてM2マクロファージへ分化させた後に培地交換を行い、通常のcomplete DMEMに戻してさらに24時間正常酸素濃度(20% O2)と低酸素濃度(1% O2)で培養を行い、それぞれの培地を回収した。当科で樹立した口腔扁平上皮癌細胞株OSC-4を正常酸素および低酸素濃度で培養したそれぞれのM0、M1、M2培地存在下に抗がん剤(5-FUおよびCDDP)で処理し、OSC-4細胞の増殖能に及ぼす影響についてWST-1アッセイを行った。 【結果】THP-1細胞において、IFN-γ+LPS処理によりM1マーカーであるCD11c、CD80の発現が亢進し、一方、IL-4+IL-13処理によりM2マーカーであるCD163、CD206の発現が誘導されることをフローサイトメトリーにて確認した。低酸素濃度のM0、M1、M2培地はそれぞれOSC-4細胞の増殖を促進したが、中でもM2培地によるOSC-4の増殖促進効果が顕著であった。5-FU、CDDPは共に濃度依存性にOSC-4細胞の増殖を抑制したが、M1培地により抗がん剤による抗腫瘍効果は増強され、一方、M2培地により抑制された。以上のことから、M1マクロファージは口腔扁平上皮癌の抗がん剤感受性を正に、M2マクロファージは負に制御している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定した研究計画は遂行できていると判断したため
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Strategy for Future Research Activity |
他の抗がん剤による効果を検証するとともに、SCIDマウス舌に高転移細胞株SAS-L1細胞を移植し、各種抗癌剤で処理しTAMの腫瘍間質における浸潤数とともに、癌のgrowthやリンパ節転移に対する影響を免疫組織化学的に比較検討する。
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