2014 Fiscal Year Research-status Report
HPV関連口腔癌患者の予後と相関するエピジェネティックな変異のゲノム網羅的探索
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26463037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 雅修 東京大学, 保健・健康推進本部, 講師 (10392333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 徹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20359623)
安部 貴大 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20383250)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | HPV |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頚部癌の中でも、中咽頭癌においてはHPV陽性の患者は陰性の患者と比較して化学療法や放射線治療に対する感受性が高く、生命予後が有意に良好であり、HPV感染の状態は中咽頭癌患者の生存において強力かつ独立した予後因子である。HPV 関連中咽頭癌の分子生物学的特徴としては,細胞周期調節因子であるp16遺伝子が高発現し,p53 遺伝子の変異が少ないことが報告されているが、なぜ治療反応性が高く予後が良好であるかについての詳細は明らかになっていない。さらに口腔扁平上皮癌を含めた中咽頭癌以外の頭頚部癌ではHPV感染の状態は生命予後との明白な相関は認められておらず、そのためHPV感染の状態は治療方針の決定に影響をもたない.本研究では、まず口腔扁平上皮癌において、どれだけの割合の腫瘍がHPV由来であるかを確認し、その有無によってどのようなエピジェネティックな異常の違いが生じるのかを明らかにしようとした。手術により採取した口腔扁平上皮癌組織からDNAを抽出し、最も感染リスクが高いとされるHPV16、HPV18に加えて、Low-Risk Group (6,11)、High-Risk Group(26,31,33,35,39,45,51,52,53,56,58,59,66,68,73,82の感染の有無について24個の口腔扁平上皮癌組織を用いて検討した。Seeplex HPV4A ACE KitのPCR反応時にヒトβ-globin検出プライマーを入れ反応させた。β-globinは検出されたが、24個の口腔扁平上皮癌組織において、上記HPVに感染している症例は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HPV陽性例は確認されていないが、実験は順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
HPV陽性例を同定し下記の検討を行う。1.HPV感染と口腔癌患者の予後との相関の有無についての検討 2.HPV感染の有無による中咽頭癌細胞株と口腔癌細胞株におけるエピジェネティックな遺伝子異常の違いについての検討 3.HPV感染の有無による中咽頭癌細胞株と口腔癌細胞株における遺伝子発現プロファイルの検討 4.HPV感染の有無による中咽頭癌細胞株と口腔癌細胞株におけるジェネティックな異常の違いについての検討 HPV陽性中咽頭癌細胞株、HPV陰性中咽頭癌細胞株、HPV陽性口腔扁平上皮癌細胞株、HPV陰性口腔扁平上皮癌細胞株おける既知の主ながん抑制遺伝子およびがん遺伝子について突然変異の有無について比較・検討を行う。また前述3のゲノム網羅的遺伝子発現解析との比較・検討を行う。5.予後と密接に相関する遺伝子異常の臨床検体における検討
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Causes of Carryover |
物品の納入が年度内に間に合わない可能性が高かったため次年度に使用することにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費または学会参加に伴う旅費に使用する予定である。
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Research Products
(6 results)