2014 Fiscal Year Research-status Report
口腔扁平上皮癌の浸潤・転移におけるInvadopodiaのメカニズムの解明
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26463038
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
加藤 広禄 金沢大学, 大学病院, 講師 (30444201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉澤 邦夫 山梨大学, 総合研究部, 講師 (60452108)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 口腔がん / 浸潤突起 / 浸潤・転移 / 接着 / Caveolin-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔扁平上皮癌におけるCaveolin-1(CAV1)の発現と臨床病理学的因子との関係を検討した。さらには転移リンパ節でのCAV1発現と生命予後との関連についても検討した。まずは原発巣におけるCAV1の発現と臨床病理学的因子との関係を検討した結果、TNM分類におけるN分類、病理学的リンパ節転移の有無、細胞分化度、癌浸潤様式(山本・小浜分類)とCAV1発現との間に有意差を認めた。5年累積生存率においてもCAV1発現群では有意に予後不良であった(p<0.05)。単変量解析の結果、年齢、T分類、N分類、CAV1発現の有無に有意差を認め、さらなる多変量解析の結果、T分類とCAV1発現が独立した予後因子となった。また、転移リンパ節におけるCAV1発現を検討した結果、強発現群では有意に予後不良であるとの結果であった。よって、CAV1が口腔扁平上皮癌の浸潤や転移に関わっている可能性があり、さらにCAV1が口腔扁平上皮癌の有用な予後予測因子となることが示唆された。 次に、浸潤様相の異なる細胞株(浸潤様式4D型;HOC313、4C型;OSC-19、3型;OSC-20)におけるCAV1のmRNA発現レベルをreal-time PCR法にて検討した結果、高浸潤性であるHOC313細胞のCAV1のmRNAの発現量が有意に高値を示した。そこで同じ3種類の細胞株を用い、CAV1タンパクの発現量をWestern blotting法にて検討した結果、CAV1タンパクの発現は高浸潤性のHOC313細胞において、その他の細胞と比較し減少していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
活性型であるp-CAV1の発現をWestern blotting法にて検討しているが、いまだはっきりとした発現を認めないでいる。また、浸潤に関わっているとされるMMP-2や潜在型であるpro-MMP-2、pro-MMP-9の発現に関してゼラチンザイモグラフィーにて検討する予定であったが、細胞の培養が思うようにいかず、まずはWeastern blottinng法によるタンパク発現の検討を優先することになった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、p-CAV1の発現については、1次抗体を変更することも考慮に入れつつ、Ⅳ型コラーゲンをコーティングしたシャーレ上で培養した細胞において発現を検討することも考えている。また、これから細胞培養が安定してくると考えられ、それに伴いさらなるInvadopodia関連因子のタンパク発現や、ザラチンザイモグラフィーによる細胞外基質分解酵素であるMMPsの発現やその活性化を確認することができると考える。 そして平成27年度以降の研究に随時着手していくこととなる。
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