2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26463040
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
栗田 浩 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (10273103)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 糖代謝 / グリコーゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
癌の研究において、がんと代謝は重要なテーマであり、口腔扁平上皮癌においてグリコーゲンは糖代謝の起点/キー物質である。これまでの研究で、口腔扁平上皮癌細胞ではグルコースの取り込みが(Glut-1の発現)が亢進していること、グリコーゲンの分解(分解酵素であるglycogen phosphorylase isoenzyme BBの発現)が亢進していることを見いだした。本研究年度には、残された代謝経路である、(1)グルコ-ス-6-リン酸の代謝の解明、(2)グリコーゲン代謝バランスの解明、(3)癌細胞の代謝経路の解明を行った。 (1)グルコ-ス-6-リン酸の代謝の解明:口腔扁平上皮癌組織を用いて、グルコ-ス-6-リン酸の代謝酵素であるGlucokinase、Phosphoglucomtase3、Glucose-6-phosphataseの発現を免疫組織学的に検討した。その結果、グリコーゲンとグルコース-6-リン酸間の代謝に関与する酵素であるGlucokinaseとGlucose-6-phosphataseの発現が更新していることが明らかとなった。 (2)グリコーゲン代謝バランスの解明、および、(3)癌細胞の代謝経路の解明:口腔扁平上皮癌組織(10検体)および正常口腔上皮組織(10検体)についてメタボローム解析を行った。現在結果の分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究期間内には、(1)グルコ-ス-6-リン酸の代謝の解明、(2)グリコーゲン代謝バランスの解明、(3)口腔扁平上皮癌の分化度および増殖能とグリコーゲン/糖代謝の関連性の解明を計画している。現在までに(1)は終了し、現在(2)および(3)を行っている。(2)に関しては当初、ウェスタンブロットおよびPCRを用いて解析する予定であったが、(2)および(3)をまとめてメタボローム解析にて解明する。メタボローム解析には予定した20検体(癌組織10、コントロール正常組織10)を提出しており、最近結果が届いた。研究の最終年度を迎えて、メタボローム結果の解析を行い、結果をまとめる予定である。上記のごとく進捗状況はほぼ順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況に記したように、研究計画は当初の計画通りほぼ順調に進んでいる。 H28年度は、研究結果のまとめ、研究成果の発表(6月に国際学会での発表、論文作成を予定している)を行う。また得られた研究結果を基に、新たな課題の抽出、研究計画の策定などを行う。
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Causes of Carryover |
当初計画していた論文発表を次年度に延期したため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H28年度に論文作成を行い、翻訳、校閲費用をH28年度請求分とあわせて使用する。
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Research Products
(2 results)