2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26463042
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
銅前 昇平 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70397892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 俊朗 岡山大学, 学内共同利用施設等, 教授 (50185641)
花房 直志 岡山大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (00228511)
榮川 伸吾 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40635265)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | CCR4 / 頭頸部癌 / 制御性T細胞 / 抗体療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
チャンバースライドで培養した細胞を固定して直接頭頸部癌細胞株の染色を行いSAT、 HSC-3-M3をCCR4陽性、KOSC-2、SKNをCCR4陰性と判定した。6-8週齢 C.B-17 SCID mice 背部皮下に、頭頸部癌細胞株①SAT(CCR4発現陰性)②KOSC-2(CCR4発現陽性)株を5×106個麻酔下で接種し皮下腫瘍を形成後、腫瘍直径が8mmの時点をDay0とし、PBMC(1×107 cell/mouse)と抗CCR4抗体(30μg / mouse)をそれぞれ計5回4日おきに腹腔内投与した。(ⅰ) control (saline)、(ⅱ) human PBMC、(ⅲ) 抗CCR4抗体、(ⅳ) 抗CCR4抗体+human PBMCの群に分け投与、腫瘍の発生後、隔日で、腫瘍径の測定を行った。抗CCR4抗体+human PBMCの群において腫瘍増殖を抑制する傾向がみられたが、CCR4発現の有無による違いは明らかではなかった。in vtiroにおいても抗CCR4抗体による頭頸部癌細胞に対する抗腫瘍効果を明らかにするため、上記CCR4陽性および陰性の腫瘍細胞株をそれぞれカルセインで蛍光標識し、96ウェルプレートで培養した。健常人PBMCおよび抗CCR4抗体を培養液中に添加し、ウェル内の蛍光強度の低下(腫瘍の細胞死)の測定を行ったが、両者間に差は認めなかった。さらに、抗CCR4抗体単独、活性化NK細胞単独、活性化NK細胞と抗CCR4抗体とともに4時間培養して上清の蛍光強度を測定した。NK細胞はNK cell expansion kitを用いて培養し、エフェクター/ターゲット(E/T比)1.5、3、6で混合した。抗CCR4抗体単独では明らかな細胞増殖抑制を認めなかった。一方、活性化NK細胞単独において、E/T比依存性に細胞障害活性を認め、さらに抗CCR4抗体を併用することで抗腫瘍効果の増強がみられた。また、頭頸部癌組織におけるCCR4の発現、腫瘍細胞やマクロファージから分泌されるCCL17、CCL22の発現との関連を免疫組織化学染色にて解析したところ、CCR4の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の発現と、間質細胞におけるCCL17、CCL22発現とに相関は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
腫瘍局所の CCR4 発現を確認するための頭頸部癌患者臨床検体数が目標に至っていない。CCR4 陽性癌細胞、陰性癌細胞に抗体を投与後、腫瘍径の比較、抗腫瘍効果を観察しているが現在までのところ明確な差異は認められていない。頭頸部癌でのCCR4の発現頻度は比較的低く、陽性細胞の割合も7~15%で高くはない。
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍径の比較、抗腫瘍効果の観察に加えて、抗CCR4抗体による選択的aTreg 除去による免疫応答増強効果、すなわちT細胞の増殖における増強効果、T細胞の機能における増強効果を確認する。
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Causes of Carryover |
SCIDマウスがスケジュールの問題で当該年度に購入できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
SCIDマウス、NK細胞培養キット購入などに充てる予定である。
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Research Products
(3 results)