2016 Fiscal Year Research-status Report
唾液腺癌における抗癌剤耐性分子機構の解明と新規分子標的治療薬の開発
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26463048
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小野田 慈美 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (90464403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶岡 俊一 九州大学, 医学研究院, 准教授 (90274472)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 抗癌剤耐性 / 唾液腺腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
唾液腺癌は種々の抗癌剤治療に対する感受性が低く、抗癌剤抵抗性(耐性)を示すことが多い。このため、唾液腺癌の治療現場において抗癌剤耐性の分子機構を解明することは、重要な課題の一つである。抗癌剤耐性を呈する癌細胞ではP-糖蛋白が高発現し、その耐性に深く関与することが知られている。本研究員は現在までに抗癌剤耐性に関与する因子として転写因子YB-1の機能について検討してきた。本研究では唾液腺癌の抗癌剤耐性におけるYB-1の役割解析を目的とし、唾液腺癌細胞内でYB-1と相互作用する蛋白を同定して以下の研究を行ってきた。 1、唾液腺癌組織及び唾液腺癌培養細胞におけるP-糖蛋白及びYB-1発現の検索 唾液腺癌組織に置けるP-糖蛋白及びYB-1の発現を、手術組織を材料として免疫組織学的染色、In situ hybridizationによって検索した。数例の組織ではP-糖蛋白およびYB-1が核内に高発現しており、また数例では細胞質のみに局在していた。これらの発現および局在様式(核移行の有無)と予後、転移の有無など臨床的所見および病理組織学的所見との相関をデーター化しており、研究再開後には更に追加で分析を行っていく予定である。 2、shDNAを用いた遺伝子ノックダウン法 shDNAを用いた遺伝子ノックダウン法によりYB-1相互作用蛋白であるNPMのノックダウンを行う目的でshDNAを作成し、腺様嚢胞癌細胞株に導入した。この蛋白の存在下/非存在下での腺様嚢胞癌細胞株内での YB-1の発現量、局在をウェスタンブロット法/蛍光抗体法にて検討中である
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成26年に第二子を出産。低体重早産児であったため、NICU長期入院となり退院後も定期的な通院を必要としていたため研究活動は一次中断していた。平成29度より研究活動を再開予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度より研究活動を再開し、以下の研究をすすめる予定である。 1、抗癌剤耐性に関与する因子:YB-1と相互作用する蛋白を、スクリーニングにて既に同定している。抗癌剤耐性を示す腺様嚢胞癌細胞内でのYB-1およびこれらの蛋白との発現および局在をウェスタンブロット法、蛍光抗体法で、YB-1との相互作用をGST pull down assay、ACC細胞株を用いた免疫沈降法にて確認する。 2、shRNAを用いた遺伝子ノックダウン法により上記同定因子のノックダウンをおこない、この蛋白の存在下・非存在下でのYB-1の腺様嚢胞癌細胞株内での発現量、局在を検討する。 3、センダウィルスベクターにこの因子のshRNAを搭載し、マウス舌に発現させた腺様嚢胞癌の病巣局所に注入することにより唾液腺腫瘍の抗癌剤感受性の変化を比較検討する。
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Causes of Carryover |
平成26年に第二子を出産。低体重早産児であったため、NICU長期入院となり退院後も定期的な通院を必要としていたため研究活動は一次中断していた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度より研究再開予定である。
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