2015 Fiscal Year Research-status Report
口腔粘膜上皮前駆/幹細胞による粘膜再生機構の解明―血管新生の意義―
Project/Area Number |
26463059
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
芳澤 享子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (60303137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 健次 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80242436)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 移植・再生医療 / 口腔顎顔面再建外科学 / 上皮幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちはティッシュエンジニアリングの手法より開発した培養口腔粘膜の臨床応用とその粘膜再生能について検討を重ね、培養口腔粘膜は口腔粘膜を良好に再生させることを明らかにしたが、現在の培養方法では上皮細胞は増殖能、分化能が不均一な細胞集団であり、患者によっては細胞増殖能の劣る培養口腔粘膜が作製される恐れがある。そこで口腔粘膜上皮細胞集団の中から口腔粘膜上皮前駆/幹細胞が多いといわれている小型細胞集団より作製したEVPOMEの生体内移植後の粘膜再生能を評価したところ、良好な粘膜再生能と上皮細胞の長期の生存およびその再生過程に血管新生が関与していることが示唆された。本研究では小細胞集団より作製されたEVPOMEによる粘膜再生機構の解明と特に新生血管がどのように関与するのかを検討する。平成26年度はまず患者より採取した口腔粘膜より口腔上皮細胞を培養し、小型細胞集団を選別し、選別しない細胞集団と細胞増殖能を比較検討した。その結果、両群間の増殖能は小型細胞集団の方が若干優れている傾向にあり、また両群の上皮細胞で作製したEVPOMEにおいて増殖マーカーであるKi-67による免疫組織化学的検索では、小型細胞集団の方が増殖マーカー陽性細胞の多い傾向にあった。平成27年度では幹細胞マーカーといわれているp63による免疫組織化学的検索を行ったところ、p63陽性細胞はどちらも基底層に連続的に認められ、小型細胞集団よりなるEVPOMEではさらに基底層より4-5層上方にまで認めた。さらに背部皮下移植モデルを用いた検討では、移植後21日目まで小型細胞集団よりなるEVPOMEのほうがKi-67,p63陽性細胞ともに多い傾向にあり、移植後も増殖能の維持が保たれ、上皮幹細胞、前駆細胞が多く存在することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EVPOMEの上皮における幹細胞マーカーによる染色結果がp63で比較的安定した結果が得られ、移植モデルでの検索にすすめたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は両群の移植モデルより採取した試料を用いて免疫組織化学的にEVOPOME、周囲組織の動態を検索する。特に新生血管を中心に検討する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、本年度予算はすでに執行済みであるが支払いが4月にずれ込んだためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
すでに執行済みである。
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