2014 Fiscal Year Research-status Report
培養操作を介さない末梢血由来単核細胞を利用した骨再生法の確立
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26463061
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大場 誠悟 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (80363456)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ReFit / PRP / bone regeneration / leptin |
Outline of Annual Research Achievements |
Platelet-rich plasma (PRP)が末梢血全血(total blood: TB)よりも骨再生に有用であることを確認するために、ヒト末梢血由来のPRPとTBとを担体に混和し、これをヌードマウスの頭頂骨上にonlay状に移植して、骨新生状態を観察した。担体にはcollagenとHAのcomposite materialであるReFitを使用した。ReFitは医科ではすでに保険適応で主に整形外科領域に用いられており良好な骨新生能を持つことが示唆されている。しかしながら、これらはdefectに使用されたものであり、onlay状に骨新生を誘導できるか否かは不明のままである。 移植後2週間では、TB群、PRP群では骨新生が観察されたが、Control(頭頂骨上の骨膜を剥離し、移植せずにそのまま閉鎖)群、NS (normal saline)群では骨新生は認められなかった。移植後4週では、NS群、PRP群、TB群はいずれも有意に骨新生を誘導した。また、NS群に対してPRP群、TB群は有意に骨新生を誘導し、成熟も早かった。しかしながら、PRP群とTB群では大きな差は認められなかった。ReFitは使用前にNSではなく、TBあるいはPRPに浸漬させることが重要であることが示唆されたが、あえてPRPにこだわる必要はないことが示唆された。PRP作成のコスト削減につながると考えられる。 使用した担体ReFitは比較的新しい材料であり、血液に浸漬させることでflexibleになる。そのため、上顎洞底挙上術に有効であることが考えられたため、ウサギの上顎洞底挙上術に応用した。移植後4週間で成熟な骨が誘導され、上顎洞底挙上術の際の充填材料として有用であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
使用する担体が新しく、世界的にもほとんど基礎データが存在しないため、担体の評価から行う必要があった。その意味では、この担体を使用して骨新生が誘導できた基礎データが得られたことは収穫。
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Strategy for Future Research Activity |
担体であるReFitが有用であることは証明できた。TBとPRPで骨新生の状況に差が認められなかったことから、G-CSFを投与し、PRP内にMNCを増員させ、同様の検討を行う。これを2015年度に行い、その結果からleptinの上乗せ効果を2016年度に検討する。 ReFitによる上顎洞底挙上術後の骨新生が早期に可能であり、成熟も早期に完了することが確認できた。レプチンを用いることで更に成熟するまでの期間を短縮できるか検討する。また、上顎洞底挙上術後にインプラントを埋入し、初期固定の状態などを評価する。
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Causes of Carryover |
実験結果の進行状況が、2014年度の購入予定の物品が必要な段階まで達しなかったことから、2015年度での購入予定となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在進行状況が、予定よりやや遅れているが2015年度の初旬には予定の段階に達することが予定されている。その際に購入予定。
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