2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26463063
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
磯村 恵美子 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (70397701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石濱 孝二 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 研究員 (30432454)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 他科移植 / 舌 / 再建 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔領域の術後欠損に関しては、舌が最も機能障害が大きく出やすく、臨床面でも術後の機能回復に苦慮することが多い。心臓・肺・腎臓など他の臓器の他家移植の臨床経験が進むなか、舌は生命に直接的に重大な影響を及ばさないことから他家移植の適応とは考えられてこなかったが、本研究で舌の他家移植法が確立されれば、一つの選択として実施でき、患者のQOLの改善に大きく貢献することができるのではないかと期待できる。 平成27年度は、平成26年度に引き続き、舌の他家移植法の確立を目指した。 実験にはイヌ(ビーグル犬:体重10kg、24週齢)を用いた。舌半切後、舌動静脈、舌神経、舌下神経、舌咽神経、外舌筋群を含めて摘出し、他家移植を行った。舌の安静を保つために胃瘻増設や、患側の上下歯牙抜去、健側の舌の固定(顎下部に糸を貫通させて固定)したが、術後まもなく死亡したり、生着しなかったりして、実験は困難を極めた。 平成28年度以降は、安定して生着するようにさらに工夫を重ね、舌の他家移植法の確立を目指す。また、生着したものの機能評価を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
舌の他家移植法の確立を目指しているが、まだ安定して生着させることが出来ていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
術直後の免疫抑制剤の投与量を増やしたり、抗生剤の持続点滴を行ったり、舌移植片の大きさを小さめにしたりすることで、安定した生着を目指す。 移植片の生着が確認されれば(1)摂食・嚥下機能の評価、(2)味覚刺激による唾液分泌量の測定、(3)神経刺激による舌運動評価 を行う。
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Causes of Carryover |
研究の成果が想定外にでなかったため、一時中断して対応策の再検討を行う必要があったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまでの失敗を生かして、舌の他科移植法の確立を目指すため、予定よりも実験回数を増やす。そのために実験動物のビーグル犬や免疫抑制剤の購入が必要となる。
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