2014 Fiscal Year Research-status Report
PRF+ナノアパタイトと脂肪幹細胞による顎骨再生療法の基礎研究
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26463077
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
吉澤 泰昌 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (90433812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 誠二 昭和大学, 歯学部, 准教授 (10432634)
椋代 義樹 昭和大学, 歯学部, 助教 (50325099)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナノハイドロキシアパタイト / 脂肪幹細胞 / PRF / 骨再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
SHApおよびPRFの混合物中で脂肪幹細胞を3次元培養し、骨関連遺伝子やタンパク質の発現に関する分子生物学的解析を行う。 1)3種類の形状(Nano球状、Nanoロッド状、Micro球状)のSHApをPRF中に20%、40%、60%、80%の混合比で混合する。2)SHApおよびPRFの混合物に脂肪幹細胞を播種する。3)培養3、5、10、14、21、28、35日目まで培養し、その骨形成能について分子生物学的に評価する。4)in vitroにおいて、骨再生におけるSHApとPRFの最適な混合比を模索する。 また、脂肪幹細胞の採取に関しては当科にて日常的に行われる下顎枝矢状分割術の際に不要となった頬脂肪体より分離する。結果 位相差顕微鏡による細胞形態の観察 細胞形態は紡錘形を呈していた。また、培養期間が長くなるにつれて、培養細胞は SHApの隙間に増殖していき、nodule を形成していた。骨関連タンパクの発現の解析 ウエスタンブロット法により、I型コラーゲン、オステオポンチン、オステオカルシンのタンパク質発現を解析した。I型コラーゲン、オステオポンチンの発現は培養初期から発現が増強していた。オステオカルシンは培養14日目から発現が増強していた。また、SHAp の形態による骨関連タンパク質の発現に差は認められなかった。骨関連遺伝子の発現の解析 real-time PCR 法により、Runx2およびOsterixの遺伝子発現を解析した。Runx2は培養初期から発現が増強していき、培養14日目からその発現が減弱していた。Osterixについても同様の結果であった。また、SHAp の形態による骨関連 遺伝子の発現に差は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1. ヒト脂肪幹細胞を下顎枝矢状分割術施行時に不要となった頬脂肪体から採取するため、手術の予定がな ければ採取できない。したがって、研究に必要十分量のヒト脂肪幹細胞を得るのに時間を要した。 2. 1回の手術で得ることができるヒト脂肪幹細胞の数が少ないため、シャーレ上で培養し細胞を増やして いくのに時間を要した。 3. 採取した脂肪幹細胞が増殖せず、assayに使用できない細胞があった。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス頭頂骨骨欠損部にSHAp+PRF+脂肪幹細胞を移植し、形成され組織を解析する。1)マウス頭頂骨に5mmの骨欠損を作製する。2)その骨欠損部に、20%、40%、60%、80%の混合比で作製したSHAp+PRF中に脂肪幹細胞を混合し、移植する。比較対象として、ハイドロキシアパタイト、β―TCP、Bio-Ossを単独および脂肪幹細胞と混合して移植する。3)2週、4週、8週、12週、16週、24週目で組織切片を作製し、免疫染色(オステオカルシン、I型コラーゲン)H-E染色、Pentachrome染色、Anilin blue染色およびアルカリフォスファターゼ染色を行う。さらには、μCTを撮影し、形成された骨組織の体積、外周長、残存している骨補填剤の量について解析ソフトを用いて算出する。
また、採取したヒト脂肪幹細胞は個体差があるため、性別、年齢別で採取したヒト脂肪幹細胞の増殖能および分化能に関して、in vitroにて解析する必要があると考えられた。
また、in vitro の解析が不十分のため、骨関連タンパク質および遺伝子の発現に加え、細胞内のシグナル伝達経路(SmadやWntシグナル)の解析も施行する予定である。
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Causes of Carryover |
消耗品の購入金額が、当初より少なくなったため、50000 円の繰越し金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度の繰越し金に関しては、消耗品の購入に充てる。
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Research Products
(1 results)