2017 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of optimum oral care procedure in patient with endotracheal intubation orally for preventing ventilator-associated pneumonia
Project/Area Number |
26463083
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
岸本 裕充 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30291818)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 口腔ケアキット / 人工呼吸器関連肺炎 / 脳神経外科 / 汚染物の回収 / オーラルマネジメント / 気道管理 / 緊急手術 / 人工呼吸器関連事象 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】予定手術では術前からのオーラルマネジメント(以下、OMと略)が可能であるが,脳神経外科(以下、脳外と略)の緊急手術では,OMが実施されず気管挿管となるため,VAP(人工呼吸器関連肺炎)を発症するリスクが高い.今回,脳外の全麻下での緊急手術患者に口腔ケアキット Q-careを用いることでの,VAE(人工呼吸器関連事象)の発現の抑制を検討した. 【対象および方法】2017年1月1日から12月31日までの1年間に,脳外で全麻下による緊急手術をうけた患者のうち,手術直前に口腔ケアの依頼があったのは32例であった.歯科医師・歯科衛生士が手術室でQ-careを用いて口腔ケアを行った.32例の口腔ケア実施群のうち,2日以上気管挿管された11例におけるVAEの発現の有無と,患者背景として主病名,年齢,術式,手術時間,挿管期間,基礎疾患などについて,カルテにて後ろ向きに調査した.対照は同時期の手術直前の口腔ケア非実施群で,同様に2日以上気管挿管された11例とした. 【結果および考察】VAEの発現は,実施群にVAC(人工呼吸器関連状態)が1例,VAPが2例であり,非実施群にIVAC(感染関連性人工呼吸器合併症)が2例であった.今回,実施群にVAEの発生が多く,Q-careの有効性を明らかにできなかった.その原因として,実施群の方が高齢(69歳 vs 66歳),長時間手術(5h00m vs 3h47m)と患者背景に差があったことが考えられた.特に,実施群でVAPを発症した2名は飲酒後の転倒による頸椎損傷で,糖尿病・高血圧などの基礎疾患もあり,VAE発症のリスクが高かった.本法の有効性を明らかにするためには,前向き研究として無作為に患者を割り付け,術前からの介入だけでなく,術後のOMも強化する必要があると考えられた.
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Research Products
(10 results)