2014 Fiscal Year Research-status Report
後天的に顔面骨格形態を決定する新たな分子メカニズムの解明
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26463093
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
柳田 剛志 岡山大学, 大学病院, 講師 (90534793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上岡 寛 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80253219)
久保田 聡 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90221936)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 頭蓋顔面発育 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
実験的不正咬合モデルマウスの作成はすでに成功しているため、その手順に則って本モデルマウスを作成し咬筋組織からサンプルを回収した。 FAIRE sequence法は全ゲノム領域の中のオープンクロマチン領域、つまり転写が活性化されている領域を同定する手法であるが、マウス咬筋からのDNA抽出はFAIRE法用のゲノムDNA採取プロトコルに従って行った。こうして回収したオープンクロマチン領域のゲノムDNAを次世代シークエンサーにて網羅的解析し、オープンクロマチン領域を特定した。固形餌と粉末餌でそれぞれ飼育したマウスのサンプル間比較を行うことで、エピジェネティックな制御がなされている領域が特定できた。実際にマイクロアレイの結果と比較してみると、大きな変化が見られた部位は同じ染色体上に存在することが確認できた。 加えて、実験的不正咬合マウスに何が起こっているのかという詳細なデータを得るため、これらの結果を待つ間に咬筋組織の組織切片を作成し、筋肉の性状(速筋、遅筋)に影響があるかを調べた。また、それぞれの組織からmRNAを回収し、筋肉の性状に影響をおよぼすことが知られている代表的な遺伝子群である、ミオシン重鎖遺伝子群の発現様態の調査を行った。これらの実験から得た結果について、2014年度の日本矯正歯科学会にて口演発表を行うことができた。また、ここまでの結果をまとめ、現在英文学術誌への投稿準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した内容については概ね遂行でき、またその実験によって新たな知見を得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度と同様に、実験的不正咬合モデルマウスを作成し、TotalRNAを回収する予定である。すでにマイクロアレイにて発現の違いが確認できている週齢においてサンプル回収を実施するため、サンプル回収が成功しているかどうかはReal time PCR法を用いて確認が可能である。回収されたTotal RNAサンプルからpoly-A RNAを精製した後、次世シークエンサーを用いたRNAシークエンス法にて解析を行う予定である。この作業により発現したmRNAの定量、構造の解析が可能となる。 RNAシークエンスには約3から4ヶ月の期間が必要となるため、平成26年10月までにはRNAの回収、精製、品質確認を実施する必要がある。そしてRNAシークエンスによって得られたデータに対して、次世代シーケンサーデータ解析ソフトを用いてトランスクリプトーム解析を行い、本領域から発現している転写産物の両サンプル間での比較定量、またリフェレンスゲノム配列との比較解析によりエキソン・イントロン構造を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
当初予定の申請額よりも減額が会ったため、購入を予定していた遺伝子情報解析機器は断念し、外注にて実験をすすめることとなった結果、差額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に関しても引き続き機器購入は困難であり、外注にて当該実験を遂行する必要があり、これに使用する予定である。
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Research Products
(7 results)