2015 Fiscal Year Research-status Report
アレルギーで誘導される歯根吸収は抗炎症性脂質メディエーターで抑制できるか
Project/Area Number |
26463097
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村田 直久 九州大学, 歯学研究科(研究院), 研究員 (70614303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五百井 秀樹 九州大学, 大学病院, 講師 (10274474) [Withdrawn]
城戸 瑞穂 佐賀大学, 医学部, 教授 (60253457)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯根吸収 / 矯正的歯の移動 / 脂質メディエーター / アレルギー / リポキシン / 破骨細胞 / 骨吸収 / 骨代謝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
矯正治療の際に起こる歯根吸収は解決すべき重要な課題だが、未だ原因の究明には至っていない。我々は疫学調査や動物実験により、アレルギー疾患自体が歯根吸収のリスクを高める可能性を報告しており、そのメカニズム解明を進めている。本研究では慢性アレルギーが破骨細胞の成熟に与える影響を調べるとともに、歯根吸収の制御を狙い、抗炎症性脂質メディエーターの投与が歯根吸収に与える影響について検討する。 本年度は、アレルギー疾患モデルとして知られているBrown Norway (BN)ラットに卵白アルブミン感作を行ったアレルギーモデルラットを新たに作製した。このモデルを用いて、ニッケルチタン製コイルスプリングにて上顎第一臼歯(M1)への矯正力負荷を行った。さらに、抗炎症性脂質メディエーターLipoxin A4の尾静脈投与を矯正力負荷4日前より2日に1度行った。矯正力負荷7日後および14日後に屠殺し、組織学的解析のため、M1および圧迫側周囲歯槽骨の組織切片を作製した。作製した組織切片にTRAP染色を行い、溶媒のみを投与した対照群と歯根吸収面積、破骨細胞数、破歯細胞数について組織形態計測学的に解析した。 加えて、同様にモデルラットを作製後、矯正力負荷後24時間後のM1および圧迫側周囲歯槽骨サンプルより蛋白およびRNAの抽出を行った。今後、歯の移動局所の歯周組織における破骨細胞分化に重要なRANKLおよび炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-1、IL6)に対するLipoxin A4投与の影響を調べる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
組織サンプルを得る課程で時間を要したが、サンプルは必要な数量を得ることができた。今後は、順調に成果が得られると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験に必要なサンプル収集は終えたため、今後は時間を要するELISA実験やRNA実験を並行して進めていき、効率的な実験を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込額と執行額が異なったが研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初の予定通りに研究を進めていく。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、ELISA実験やPCR実験など、多岐にわたる実験を行うための試薬や実験器具に使用する予定である。
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