2015 Fiscal Year Research-status Report
ヒトiPS細胞への転写因子Msx2導入による骨芽細胞への分化・骨形成に関する研究
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26463098
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山本 芳丈 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (50380465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白方 良典 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (60359982)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 骨芽細胞 / 細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本継続研究の概要は歯を移動させることによって歯科治療をすすめていく歯科矯正治療において、歯を移動させる際の口腔内での歯根膜とその周辺の歯槽骨組織における骨のリモデリング(骨組織改造)が極めて重要であり、同様に骨組織の欠損部位などにおける骨組織自体の再生もまた非常に重要な要素の1つである。このことから、骨組織の代謝において骨組織形成の担い手として中心的存在であり、重要な役割を果たす骨芽細胞に対し、骨芽細胞の細胞分化における骨芽細胞に特異的な転写因子による細胞分化制御調節機構に関するそのメカニズムの詳細については未だに不明な点が数多く存在し、そのためこの領域における本研究の意義は極めて重要であると考えられている。本研究では近年において骨芽細胞の細胞分化の調節機構に関与しているとして考えられているホメオボックスタンパク質に属する転写因子Msh homeobox 2が骨芽細胞の細胞分化の調節機構にどのように関わっているのかを解明するために、骨芽細胞特異的な転写因子であるMsh homeobox 2を細胞内へ導入し、骨芽細胞の標的遺伝子の発現や骨組織の形成を実現する分子機構について検討することとし、そのためまず初めにマウスの人工多能性幹細胞を用いて研究を進めてきた。その結果、骨芽細胞への細胞分化の促進を誘導し、またその過程において最終的に骨様組織の形成を実現させることができた。さらに、骨欠損部における骨組織再生の研究のための実験動物モデルを作製し、この成果については学術大会にて報告を行った。今後、マウスとヒトの人工多能性幹細胞では細胞の培養方法などに大きな違いがあるため、最適な細胞培養条件を確立するための実験を繰り返し、このことにより実際の臨床に役立つ成果へと繋げるべく次のステップへ研究内容を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では当初立案した研究計画書に従って研究を進めており、大きな障害となる問題は生じていないものの、研究全体から見た進捗状況としてはやや遅れている。その理由として、細胞培養の各種条件の確認であったり、動物実験モデルにおける口腔内装置の破損などが原因と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究における推進方策であるが、特に研究を進めていく上での大きな障害となる課題もなく、また研究計画自体に変更がないため、今後も研究計画に従って研究をすすめていく予定にしている。
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Causes of Carryover |
本研究の進捗状況として、やや遅れが生じていることにより研究計画書にある物品等の研究機器・機材における未購入分が次年度の使用額として生じているためと考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究の進行において、研究計画等の計画変更は特に生じていないため、次年度以降も研究計画に従って計画的に予算を使用していく予定である。
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