2014 Fiscal Year Research-status Report
咽頭への味覚刺激がもたらす嚥下変調効果を発達過程から解明する
Project/Area Number |
26463108
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中村 由紀 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70452779)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 誠 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00303131)
早崎 治明 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60238095)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 摂食嚥下 / 味覚 / 発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、咽頭への化学(味)刺激が嚥下機能にもたらす効果とその違いについて哺乳期を含めた発達期を通して調べることで、咽頭での化学感覚受容と嚥下との関連性ならびに発達過程における感覚受容機構を神経生理学的に解明することを目的とした。当該年度においては、咽頭領域の限局部位に極微量の溶液を注入するという刺激様式を用いて、味覚刺激の咽頭における感受性とそれがもたらす嚥下への影響について検索を行った。 健常成人を対象とし、刺激にはシュークロース、塩化ナトリウム、塩酸、クエン酸と酢酸の5種類の味溶液と蒸留水を用い、非常に遅い注入速度で細いシリコンチューブを通して咽頭に注入した。嚥下時には舌骨上筋群表面筋電図(EMG)を用いて各嚥下の記録を行った。また、嚥下時の咽頭感覚について感覚強度の評価を行った。 結果は、酸溶液刺激時の嚥下間隔時間は蒸留水や他味溶液刺激時のSIと比較して有意に短縮した。また、溶液刺激嚥下時の咽頭の感覚強度も酸溶液刺激時において有意に高かった。咽頭への酸溶液刺激は、嚥下惹起を促通していると考えられた。これまでの結果から、健常成人への咽頭味覚刺激は嚥下に影響をもたらす可能性が示唆され、この効果は味質によって異なることが考えられる。また、この結果は過去の動物実験における研究報告と矛盾しないものであった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書の当該年度の計画を概ね実行してると考えられるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画書に順守しながら遂行する。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、まず研究に使用する消耗品の購入が予定より若干少なかったこと、また、初年度ということもあり、研究成果発表の機会が予定より少なかったことが挙げられる。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
これらの金額と次年度以降に請求する研究費を合わせた使用計画としては、研究計画書に順守した物品購入および旅費に使用することを計画している。
|
Research Products
(3 results)