2016 Fiscal Year Research-status Report
小児期続発性ステロイド性顎骨骨粗鬆症の破骨細胞分化抑制機構の解明
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26463115
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
牧 憲司 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60209400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
自見 英治郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40276598)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ステロイド / 骨粗鬆症 / NF-κB / RANKL / RelB / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ステロイド製剤は喘息やアレルギー疾患などの治療に効果的である一方、小児患者においては成長障害や骨粗鬆症などの副作用が重大な問題となっている。我々は、成長期ラットにステロイド製剤を投与すると顎骨や大腿骨の成長を抑制また骨量、骨強度および骨質の低下をpQCT、3DマイクロCT等により明らかにした。またNF-κBの非古典的経路のp100からp52のプロセシングに不可欠なキナーゼをコードする、Nik遺伝子に自然機能喪失変異を有するalymphoplasia(aly/aly)マウスが、破骨細胞形成を阻害による軽度の大理石骨病を呈することを報告した。 aly/alyマウス由来細胞ではp100はRelBを細胞質に保持し、RANKL刺激による破骨細胞形成を阻害した。さらに、aly/alyマウス由来細胞にp65ではなくRelBを過剰発現させると、p100プロセシングを誘導することによってRANKL刺激による破骨細胞形成が回復した。しかし、RelBの過剰発現はp52を生じないp100ΔGRRの存在下ではRANKL刺激による破骨細胞形成を救済することができなかった。 RelBを過剰発現するとCot(Cancer Osaka thyroid)が誘導され、Cot発現をノックダウンすると、RelBの過剰発現によって回復した破骨細胞形成が有意に減少した。IKKαの23番目のスレオニン残基のリン酸化とそのキナーゼ活性は、RelBが誘導するCotによるp100プロセシングおよび破骨細胞形成に不可欠である。最後に、構成的に活性化されたAktは、RelBによって誘導されたCotによる破骨細胞形成を増強したが、ドミナントネガティブ型Aktはその作用を抑制した。以上の結果は、RelBの過剰発現は、Akt/Cot/IKKαによって誘導されるp100プロセシングによってRANKL刺激による破骨細胞形成を回復させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
aly/alyマウス由来骨髄細胞にRelBを過剰発現するとCotが誘導され、Aktと協調してIKKαの23番目のスレオニンをリン酸化しIKKαのキナーゼ活性を誘導することでp100のプロセシングを誘導し、破骨細胞形成を誘導すると考えられた
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られた結果の再現性等の確認を行う必要がある。
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Causes of Carryover |
研究はおおよそ順調に遂行してきたが、遺伝子改変マウス作製や骨形態計測にに時間を要し、実験が贈れ、研究経費を次年度必要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
野生型および遺伝子改変マウスにステロイド誘導性骨粗鬆症を誘発し,以下の実験を行う。 破骨細胞形成:野生型および遺伝子マウスの骨髄細胞を調整し,M-CSF及びRANKLで形成された破骨細胞を計測し、各マウスの骨髄細胞を調整し,破骨細胞前駆細胞の割合を比較する。
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Research Products
(3 results)