2016 Fiscal Year Annual Research Report
Cooperation of Histone Decetylase and Glucose Transporters during tooth development
Project/Area Number |
26463117
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
齊藤 正人 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (50337036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷村 明彦 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (70217149)
安彦 善裕 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90260819)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | カルシウム応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
ストア作動性Ca2+流入 (SOCE) は,Ca2+ストアである小胞体内のCa2+濃度の低下によって細胞外からCa2+が流入する仕組みであり,上皮細胞を含む非興奮性細胞の主要なCa2+流入機構と考えられている.SOCEの欠損によってエナメル質の形成不全が起こることから,エナメル質の形成においてSOCEやCa2+応答が重要な役割を果たしていると考えられる.活性型ビタミンD3(VD3)は血中カルシウム濃度の恒常性維持や,分化誘導に加えて,エナメル質の石灰化に関与している可能性がある.本研究では,VD3による歯原性上皮細胞(SF2細胞)の分化誘導と,細胞遊走で起こるCa2+応答を調べることによってエナメル質の形成におけるSOCEの役割を明らかにすることを目的とした. SF2細胞はVD3の添加により,エナメルマトリックスタンパクの発現上昇や,石灰化能やALP活性の上昇をおこした.また,ライブセルイメージング解析によって,VD3添加時による自発的で間欠的なCa2+応答の頻度の増加が観察され,細胞外からのCa2+流入を阻害しても起こった.一方,Ca2+応答を減弱させる阻害剤は,VD3によるALP活性の増加に対する抑制効果を示さなかった.そこで細胞遊走とSOCEとの関連を調べるために,マイグレーションアッセイを行った.SF2細胞の遊走性は,SOCE阻害剤のLaCl3により抑制された.細胞の遊走に関連するといわれているEGFやCXCL12は単独では遊走性の亢進をおこさず,共添加によって遊走性の亢進が観察された.超高感度Ca2+センサーを用いたライブセルイメージング解析では,細胞内Ca2+濃度がLaCl3によって低下した.さらに全反射顕微鏡観察では,SF2細胞に明瞭な細胞突起とその活動が観察され,SOCE阻害剤によるCa2+濃度の低下に伴って突起の退縮あるいは活動の低下が認められた.
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Research Products
(2 results)