2015 Fiscal Year Research-status Report
細胞由来マイクロパーティクルが歯周組織の恒常性に及ぼす影響
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26463133
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柳田 学 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80379081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 元三 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (90524984)
竹立 匡秀 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (60452447)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 細胞由来マイクロパーティクル |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病は細菌バイオフィルムを形成する病原微生物の感染によって、歯周組織に慢性炎症が生じ、同組織が破壊される疾患である。そして、この局所炎症には免疫系の細胞のみならず、線維芽細胞、血管内皮細胞といった非免疫系細胞の関与も考えられている。これらcell typeにおいて、感染あるいは障害、アポトーシスをおこした際に微小粒子:マイクロパーティクルと呼ばれる0.1-1.5μmの細胞膜に由来する小胞を放出し、細胞相互間の活性化に関わる可能性が報告されている。マイクロパーティクルの形成過程とその役割を理解することは様々な疾患の病態解明に寄与するものと思われる。本研究では、ヒト臍帯静脈内皮細胞を歯周病原性細菌であるPorphyromonas gingivalisのLPSあるいは炎症性サイトカインで刺激して24時間後の培養上清を回収した。回収した培養上清を遠心分離してマイクロパーティクル分画を分離した。炎症性刺激を受けたヒト臍帯静脈内皮細胞から分離精製したマイクロパーティクルをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で懸濁したのち、歯肉線維芽細胞に添加した。その後歯肉線維芽細胞におけるICAM1分子のmRNA発現、および歯肉線維芽細胞におけるICAM1分子のタンパク発現をフローサイトメトリーを用いたを検討したところ、無刺激ヒト臍帯静脈内皮細胞より分離したマイクロパーティクルと比較して有意に高いICAM1発現を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マイクロパーティクル分画の分離精製したのちにマイクロパーティクルの表面抗原分子の FACS解析は進んだものの、細胞付着実験の実験系が安定しない。現在、条件検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞付着実験は蛍光標識した単球系細胞が、マイクロパーティクルの刺激を受けた歯肉線維芽細胞に付着させることで、その蛍光強度を測定している。 計測データの強弱が乏しいため、明確な差を強調するために単球を放射活性物質で標識することを予定している。
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Causes of Carryover |
使用している計測機器の故障のため、その実験に用いる試薬類の使用頻度が減少した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計測機器の修理後、平成27年度の研究遅延を取り戻すべく、試薬の購入と実験を進めていく予定である。
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Research Products
(3 results)