2016 Fiscal Year Annual Research Report
Diagnosis and treatments of cardiovascular diseases associated with molecular mimicry between periodontopathic bacteria and ApoH
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26463141
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
長澤 敏行 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90262203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 昌宏 北海道医療大学, 個体差医療科学センター, 教授 (70364271)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | molecular mimicry / apolipoprotein H / periodontitis / auto-antibody / Porphyromonas gingivalis |
Outline of Annual Research Achievements |
多くの疫学研究により歯周炎が心臓血管系疾患のリスクを増大させることが報告されている。しかし歯周炎が心臓血管系疾患を悪化させる直接的な機序は未だ明らかではない。申請者らは血栓を防止するタンパク質であるアポリポ蛋白H(ApoH)と歯周病原細菌の間に分子相同性(molecular mimicry)が存在することに着目し、歯周病原細菌の感染によってApoHの機能を阻害する自己抗体が産生されて、心臓血管系疾患を引き起こす可能性を報告してきた。本研究は心臓血管系疾患の発症・悪化における歯周炎の役割を明らかにする目的で、歯周病原細菌感染によるApoHに対する自己抗体の量と性質を検討した。 全身性エリテマトーデス(SLE)患者では血栓ができやすく、心臓血管疾患のリスクが高いことが知られているが、その原因については十分に明らかとなっていない。SLE患者と健常者を比較したところ、健常者と比較してSLE患者では有意にApoHに対する自己抗体価が高かった。特に活動期のSLE患者でP.gingivalisあるいはP.gingivalisとT.denticolaが検出された患者では抗ApoH抗体が高かった。また抗ApoH抗体はCRPおよび赤血球沈降速度と有意な正の相関が認められた。これらのことからSLEの活動期においては、歯周病原細菌の感染によって抗ApoH抗体が上昇し、全身の炎症反応を悪化させることが示唆された。本研究で歯周病原細菌の感染による抗ApoH抗体の上昇が、SLE患者において心臓血管系疾患のリスクが高い一因である可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)