2015 Fiscal Year Research-status Report
粒子加速度を利用した集束型超音波口腔治療器の研究開発
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26463144
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
滝口 尚 昭和大学, 歯学部, 講師 (60317576)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | バイオフィルム / 粒子加速度 / 洗浄 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は集束型超音波洗浄技術を有する洗浄技術を組み入れた口腔内治療機の作成を目的に、周波数、振動子、印加電力、音圧、洗浄効果、殺菌効果を対象に実験を進めた。その結果、口腔内治療を目的とするため、振動子の小型化と周波数の特定を行った結果、350kHz前後の周波数帯で、振動子の小型化に成功した。そこで、シミュレーション(ビームパタン)によって音場分布を確認すると振動子から40mm程度の所に高い音場が確認された。しかし、水量300ml時の印加電力と音圧関係をハイドロホンを用いて測定すると、振動子から50mm以上離れた時に高い音圧が得られた。また、印加電圧と音圧の関係に関しては、印加電圧依存的に音圧が上昇し、最大電力10W時に0.6Mpaを維持した。次に人工プラークを用いて、除去効果と最少音圧の閾値を計測した結果、印加電力6W時から、除去効果が観察され、散布図からの回帰直線で約0.43Mpaと算出された。しかし実際のヒト口腔内由来のバイオフィルムモデルを用いて、バイオフィルムの除去効果を検討した結果では、6Wでは約60%の残存率に対して、10W,60secで約17.%の残存率であった。このことから、印加電力と残存バイオフィルムの間には、負の相関関係があることを証明した。また、この時の試験片をSEMおよびEDXで観察すると、試験片表面に細菌塊や、表面に対する損傷は観察されず、元素分析においても、主成分であるTiが96%存在することを確認した。一方で、一部の試験片を用いて、殺菌効果を検討したが、10W,60secの照射条件において、殺菌効果は確認できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
周波数、振動子、水量、印加電力量の設定は終了し、バイオフィルムの除去効果も確認できている。
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Strategy for Future Research Activity |
動物を用いて安全性試験を実施し、ヒト口腔内での歯垢除去試験を行う。
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Causes of Carryover |
インプラント体を用いた安全性試験を予定しており、特殊加工したインプラント体の発注が次年度となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
動物実験用に加工したインプラント体の費用と埋入器具とラジカル測定費用に費やす
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