2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research and development of focusing ultrasonic oral care device
Project/Area Number |
26463144
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
滝口 尚 昭和大学, 歯学部, 講師 (60317576)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | バイオフィルム / 粒子加速度 / 洗浄 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は集束型超音波洗浄技術を有する洗浄技術を組み入れた口腔内治療機の試作器を作成し動物による安全性試験とヒト口腔内を対象としたプラーク除去および疼痛試験を行った。その結果、振動子の小型化と周波数の特定を行った結果、350kHz前後の周波数帯で、振動子の小型化に成功し、これを用いてミニブタ口腔内による安全性試験を行った。対象は歯肉組織、歯髄組織および舌組織とした。歯周疾患モデルは、歯肉縁下にリガチャーを用いた、歯肉炎モデルと歯槽骨を一部削除し、リガチャーを併用した歯周炎モデルを事前に作製した。炎症を惹起させた実験的炎症モデルの口腔内は、天然歯表面にプラークの蓄積が観察され、これにより歯肉辺縁には著明な発赤が観察された。 各炎症モデル、正常歯肉および舌組織に対して、流水式超音波歯垢除去器を作用させる前後の歯肉の状態を観察した結果、流水式超音波処置直後、処置後4時間後、処置後24時間後の歯肉に発赤の増悪は観察されず、出血も観察されなかった。また、肉眼的に観察した部位を組織学的に評価すると、天然歯の歯周炎及び歯肉炎モデルの処置後24時間で歯肉の粘膜固有層に好中球浸潤がみられたが、単核細胞浸潤を伴っていること及び処置後4時間において水腫等の炎症の急性期の反応がみられていないことから、惹起された炎症モデルに起因する変化と考えられた。舌及び歯髄のいずれの組織においても、照射ワット数10Wで組織学的変化がみられなかったことから、正常組織に対する流水式超音波照射の影響はないと考えられた。また、ヒト口腔内での疼痛試験の結果、連続照射に比べて、間歇照射の方が疼痛も少なく、洗浄効果も高い傾向をしめした。
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