2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26463153
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
兼平 孝 北海道大学, 大学病院, 講師 (90194935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 学 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40157904)
竹原 順次 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (60216934)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 唾液 / pH / アントシアニン |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究では、pHの変化に応じて色調が変化する人体に無害な色素、アントシアニンを含有させた綿棒を製作し、直接口腔内に挿入して唾液pHを評価、臨床への応用の可能性を検討することを目的としている。 【材料と方法】市販の綿棒にアントシアニン(赤ぶどう、カシスから抽出)を含浸させ、本キットを作成した。5.5~8.0の6段階のpHに調整したリン酸緩衝液に本キットを1分間浸漬、発色させた綿棒を目測に用いる標準発色綿棒とした。また、同時に発色させたそれぞれの綿棒を分光色差計にて、色成分値(a*:redness)を測定し、各pHにおける発色の基準値とした。 (基礎実験1)アントシアニンを含浸させた綿棒のアントシアニンの安定性を調べた(基礎実験2)5.5~8.0の6段階のpHに調整したリン酸緩衝液に本キットを1分間浸漬、発色させた後、分光色差計にて色成分値(a*:redness)を測定し、各pHにおける発色の基準値とした。(基礎実験3)15名のボランティア被験者(男8名、女7名、年齢28~77歳)において、舌下部に本キットを挿入、1分後に口腔外に撤去して、発色状態を標準発色綿棒と目測で比較することでpH値を決定した。同時に分光色差計により色成分値(a*:redness)を測定し、基準値からpH値を求め、目測値と比較した。 【結果】本キットは常温で60日放置しても綿棒中のアントシアニンは安定していた。また、本キットを用いて目測により決定された唾液のpH値(6段階)は、分光色差計による色成分値から得られたpH値とよく一致することが確かめられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、唾液pH測定キット(アントシアニンを含浸させた綿棒)の経時的な安定性ならびに各pH(5.5-8.0)におけるアントシアニンの発色度を目測ならびに分光色差計により測定した色成分値(a*:redness)から評価した。その結果、綿棒のアントシアニンは常温で60日放置してもほとんど変化しないこと、また、目測により決定された唾液のpH値は、分光色差計による色成分値から得られたpH値とよく一致することが確かめられた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の基礎実験により、本キットは臨床研究に十分耐えうることが示唆された。今後は、実際に外来患者の唾液のpHを測定する臨床研究を実施し、口腔乾燥症や口臭などとの関連などについても評価する予定である。
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Causes of Carryover |
参加を予定していた学会に参加できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費または旅費に使用する予定である。
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