2016 Fiscal Year Research-status Report
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26463153
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
兼平 孝 北海道大学, 歯学研究科, 准教授 (90194935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 学 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40157904)
竹原 順次 北海道大学, 歯学研究科, 助教 (60216934)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 安静時唾液 / 唾液pH / アントシアニン |
Outline of Annual Research Achievements |
予防歯科臨床においては、リスク診断のために唾液検査(サリバテスト)が行われることが多い。検査項目として、唾液の性状、唾液分泌量(安静時、刺激時)に加えて、酸やアルカリを中和する緩衝能、唾液中のう蝕や歯周病を誘発する菌の数、歯周病関連の酵素(LDH:乳酸脱水素酵素など)の定量などが挙げられる。しかし、唾液のpHは、その緩衝能により値が比較的安定しており変動が少ないことと、様々な口腔疾患、全身疾患との関連は、国内外においてまだあまり解明されてこなかったため、唾液検査においてpH検査はほとんど行われていないのが現状である。しかし、重度の口腔乾燥症では、唾液のpHが低下し、口腔カンジダ症の一因となることが知られており、また、近年、唾液pHと種々の全身疾患との関係が取りざたされるようになった。そのため唾液pHとの測定は、臨床的にこうした疾患の診断の補助的一助となりえる。 そうした背景から本研究では、pHの変化に応じて色調が変化する人体に無害な色素、アントシアニンを含有させた綿棒からなるキットを製作し、唾液pHを評価、臨床への応用の可能性を検討することを目的としている。 本キットは、既存のpH測定機器の欠点を克服し、歯科外来または集団歯科健診の場で、目視により被験者の唾液pHを判定できることから、①唾液pHを短時間で、簡単、安全に評価することが可能であること、②キット化することで一般歯科開業医のチェアサイドのみならず、家庭や集団歯科健診の場で行うことが可能である。 平成28年度は、平成27年度に大学病院歯科外来受診者95名の協力を得て実施した、本キットの発色の評価を行った。その結果、被験者の唾液を吸収させ発色させた本キットの目測値と実際の唾液のpH値(簡易型pHメーターにより測定したもの)に高い一致率が認められることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度に体調を崩し休職したため、平成27年度に得られた北海道大学病院の外来被験者のデータの解析ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、外来受診者から得られた研究成果を解析して、得られた結論を学会で発表する予定である。
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Causes of Carryover |
研究期間を平成29年度まで延長したため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費および旅費にあてる予定である
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