2014 Fiscal Year Research-status Report
70~80歳における口腔健康状態の維持は、その後の「健康長寿」に寄与するか?
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26463158
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
廣冨 敏伸 新潟大学, 医歯学系, 助教 (00345513)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯の喪失 / 生活能力 / 高齢者 / コホート |
Outline of Annual Research Achievements |
(目的)新潟市在住の高齢者を対象に、高齢期における歯数維持が死亡リスクに及ぼす影響について明らかにする。 (方法)以前の調査で対象とした新潟市在住の86歳高齢者のうち、271名について生存・死亡の別について調査した。歯数データと連結し、死亡リスクに及ぼす影響について分析したが死亡者数が12名と少なく、分析は困難だった。そのため、生存者259名の生活能力を評価するために老研式活動能力指標(TMIG)13項目の合計点を算出し、歯数との関連について検討した。 (結果)TMIGの平均は9.93点であった。これを70歳時の歯数による4群で比較すると、0本群で9.06点、1-9本群で9.03点、10-19本群で9.80点、20-32本群で10.4点であった。同様に80歳時の歯数で比較すると、9.77点、9.02点、10.6点、10.5点であった。しかし、70~80歳の10年間における喪失歯数との関連は認められなかった。 (考察および今後の課題)今回の結果から、高齢期における歯数維持がその後の生活能力に影響を及ぼすことが示唆された。さらに、高齢者の生活能力にとって重要なのはある期間に歯を何本喪失したかではなく、ある一定の歯数(例えば20本)を維持することと推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象とした高齢者コホートの死亡者数が想定よりも少なかったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度と同様に、来年度以降も訪問調査、データ入力・分析を行う予定である。また、調査対象者数を増やすことも検討したい。
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Causes of Carryover |
国内・海外ともに成果発表に適した学会がなかったため、旅費がゼロとなった。また、業者に依頼した訪問調査およびデータ入力の費用については、交渉により大幅に減額できたことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越し分については、調査対象者数を増やす場合の費用に充てたい。また、海外での学会参加費用に充てることで有効に活用したい。
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