2016 Fiscal Year Annual Research Report
Developing an objective method for diagnosing periodontal inflammation using saliva.
Project/Area Number |
26463164
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
福井 誠 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 助教 (50325289)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 唾液 / サイトカイン / 歯周組織 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年に参加同意が得られた者13名(男性6名,女性7名,24.7±3.8歳)から、口腔内臨床データと唾液検体を採取した。検体はSalivette(Sarstedt)使用した採取(サリベット唾液)と、3 mlの蒸留水で10秒間含嗽した吐出液(洗口液)の2種類の方法で採取を行った。検体採取後に口腔内臨床データとして、歯周ポケットプロービング診査を行い、1歯6点法による歯周ポケット深さとプロービング時出血(BOP)の有無を記録し、PISA(periodontal inflamed surface area)を算出した。唾液検体中の16種のサイトカイン(IL-1α、IL-1β、IL-5、IL-6、IL-8、IL-10、IL-12(p40)、IL-12(p70)、IL-18、IFN-γ、LIF、M-CSF、MIG、TNF-α、LIF、PDGF-bb、VEGF)の濃度をBio-PlexTMサスペンションアレイシステム(Bio-Rad)で測定した。 測定した16種類のサイトカインのうち、唾液中の濃度が健常者の血中濃度より低いもの、血中レベルと同程度のもの、そして血中よりも明らかに高いレベルで存在するものがあり、唾液中のサイトカインは歯肉・口腔粘膜からの出血や、歯肉溝滲出液に由来する血液成分の唾液への漏洩によって存在しているだけではなく、口腔局所の産生機構によってコントロールされているものが多いことが示唆された。一方で、唾液検体中のサイトカイン濃度と歯周組織の炎症状態との関連について、サリベット唾液において、IL-8とVEGF濃度はPISAと強い正の相関関係(r=0.5~0.7、ピアソン積率相関係数検定)にあった。これらのサイトカインは歯肉炎症と関連しており、歯肉炎症状態の客観的評価の指標となりうる可能性が示唆された。
|