2014 Fiscal Year Research-status Report
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26463187
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡村 和俊 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20346802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筑井 徹 九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (10295090)
吉浦 一紀 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20210643)
徳安 達士 福岡工業大学, 情報工学部, 准教授 (50435492)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
歯学教育のみならず、触診の知識および技術を学生に伝えていくことは容易なことではない。触診に関する知見は、多くの専門書に記載されているが、実践力として身につけていくためには患者との物理的な接触を伴う体験的な経験を積み重ねていくことが重要である。 そこで本研究は、歯学教育カリキュラムにも組み込みやすいバーチャル触診システムの構築を目的としている。本研究が構築するバーチャル触診システムは、患者頭頸部の計算解剖学モデルをコンピュータ上に可視化したモデルと、3次元の力覚インターフェイスとで構成される。将来的には、実患者の医療データを流し込めば、現在過去の様々な患者をコンピュータ上に再現できるまで発展させる。 現在、頭頚部顎骨含有模型のCTデータより、頭頸部の3次元形状データを抽出し、線形有限要素法を用いてこれの力学モデルを構築した。頭頸部の弾性データは、試験的に一様な値を与えている。これまでに市販の力覚伝達装置PHANToM Omniを用いて触診テストを行い、頭頸部の変形と触診の感覚が実時間で対応することまで確認できている。 現システムでは、力学モデルに用いた線形有限要素法において、モデル構築と処理に多くの計算時間を要するため、今後筋肉や骨格などの各種解剖学的構造を反映していくためには不十分な仕様となっている。本年度は力学モデルをフリーメッシュ法により代替し、CT、MRI、超音波をもとに正常弾性データマップを作成してモデルに反映することで、よりリアリティのあるモデルの構築を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
バーチャル触診システムの構築に向けて、患者頭頸部の計算解剖学モデルの構築が必要である。これまでに線形有限要素法を用いることで、力学モデルを含んだ頭頸部をコンピュータ画面上に可視化することができている。また、市販の力覚伝達装置PHANToM Omniを用いて触診テストを行い、頭頸部の変形と触診の感覚が実時間で対応することまで確認できている。しかし、有限要素法は、計算モデルの性質上、生体の解剖学データを分割し、高速に演算することに不向きな手法であるため、本研究の目的達成のためには別手法によるモデルの実現が必要であることがわかった。そこで、本研究は近年構造解析の学術領域で注目を集めているフリーメッシュ法の概念に着目し、現在は同手法を用いて力学モデルの構築に取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、はじめにフリーメッシュ法による患者頭頸部モデルの構築を目指す。基礎研究を進める中で、生体弾性の再現性について検証を進めていく。
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Causes of Carryover |
情報収集が主体となり、当初予定より旅費比重が大きくなったが、ほぼ予定通りである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現状ではプロトタイプであったが、外部委託することにより本格的な装置を作成する。
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Research Products
(1 results)