2014 Fiscal Year Research-status Report
口腔のサルコペニアに対する評価法および対応法に関する研究
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26463197
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
高橋 賢晃 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (20409246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊谷 武 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (20214744)
田村 文誉 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (60297017)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 有病率 / 口腔機能との関連 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者はサルコペニアに陥りやすく,口腔周囲の筋力低下により口腔のサルコペニアに陥ることが考えられる.そこで,本研究では要介護高齢者におけるサルコペニアの有病率について調査し,その結果から,サルコペニア群(S群),プレサルコペニア群(PS群),ノンサルコペニア群(NS群)の3群に分けて,全身および口腔機能検査の項目を比較検討した. 対象は,介護老人福祉施設5施設に入居する要介護高齢者256名(男性61名,女性195名,平均年齢85.7±8.1歳)のうち認知機能の低下により四肢の筋肉量および握力検査において欠損値が認められた者を除外した75名(男性21名,女性54名)を解析対象者とした.四肢の筋肉量はInBody(Biospace社)により測定した.本研究において,四肢の筋肉量の基準はTanimoto Y(Arch Gerontol Geriatr. 2012)を参考とし,握力は下四分位の値を用いて,サルコペニア診断基準として3群に分け,栄養状態,口腔機能との関連について検討した. S群は男性で5名(6.7%),女性で10名(13.3%)であり,PS群は男性13名(17.3%),女性で35名(46.7%)であった.また75歳以上におけるS群は13名(17.3%),PS群は42名(56%)に対して75歳未満はそれぞれ2名(2.7%),6名(8%)であった.単変量解析の結果,栄養状態の指標であるBMIにおいて3群間で有意な差(p=0.014)が認められた.また,臼歯部咬合の有無,食物残渣,嚥下機能において有意な関連は認められなかった.一方で,口腔周囲筋の協調運動を評価する口腔移送試験については,3群間に有意な差(p=0.002)が認められ,全身のサルコペニアを認められる高齢者において口腔機能の低下が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
要介護高齢者におけるサルコペニアの有病率と口腔機能との関連についての結果報告を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
摂食嚥下障害を主訴とした外来患者における口腔のサルコペニアの有病率および介入効果についての検討を行う。摂食嚥下障害を主訴とした外来患者における口腔のサルコペニアのうち栄養状態の安定しているものに対して機能訓練を行い、介入前後の摂食嚥下評価(VF、VE)、Inbodyによる筋肉量を評価する。介入期間中は毎月ごとに摂食嚥下評価、筋肉量の評価を行い、介入の効果についての検討を行う。
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Causes of Carryover |
調査研究が3月まで延長し、予定していた打ち込み作業にかかる費用分が次年度に繰り越されたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
追跡調査における物品、人件費および打ち込み作業に伴う費用に使用する。また、介入研究のために使用する舌運動訓練器具の購入および学会発表および論文等の研究報告に伴う費用に使用する計画である。
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