2014 Fiscal Year Research-status Report
睡眠時無呼吸症候群の病態に関与する歯科的要因の解明:Historicコホート研究
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26463204
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Research Institution | Neuropsychiatric Research Institute |
Principal Investigator |
大河原 陽子 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (20625503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
對木 悟 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (90376765)
前田 恵子 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (30529938)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 睡眠学 / 歯学 |
Outline of Annual Research Achievements |
OSAS発症への顎顔面形態の関与は既に明らかとなっているが、顎骨だけでなく歯列弓を含む固有口腔形態も気道閉塞性に影響を及ぼすと考えられる。この固有口腔形態は顎骨とは異なり、加齢による咬合高径の減少や、矯正治療による歯列弓形態の変化により、その形態は生涯において必ずしも不変ではない。本研究では、Historicコホート研究により、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea Syndrome; OSAS)の発症要因を口腔咽頭領域の形態と上気道閉塞性との関係から解明し、さらに歯科的介入がOSAS予防に貢献する可能性を探索することを目的とする。日本人男性OSAS患者を対象とし、歯列弓形態および口腔内容積を2次元・3次元的に計測し、それらとセファログラム分析を合わせて睡眠呼吸障害指数との関係について次の分析を開始した。(1)年齢・BMI・顎態・歯列弓長径・歯列弓幅径・Overjet・Overbite とAHIとの相関関係を検討し、AHIに影響を及ぼすパラメータの予測を立てる。(2)AHIを従属変数、年齢・BMI・顎態・歯列弓長径・歯列弓幅径・Overjet・Overbiteを独立変数としてロジスティック回帰分析を行い、有意な関連要因を求め、歯列弓形態およびBMI・顎態がOSAS重症度のリスクファクターとなりうるかを検討する。このようなプロトコールにしたがって、引き続き27年度以降もサンプリングと解析を継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の開始にあたり、はじめに3次元的に口腔内形態を解析するシステムを構築した。データ採得・解析は概ね順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は26年度引き続きサンプリングと解析を行うと同時に、歯牙喪失による口腔内容積の変化と上気道閉塞性との関連を検討する。口腔内容積減少群、口腔内容積増大群、コントロール群の三群を設定し、年齢・BMI・顎態などの交絡要因による影響を排除した後、三群のAHI・歯列弓長径・幅径・口蓋の深さ・Overjet・Overbite・口腔内容積について、ANOVAによる三群間比較、パス解析を用いて、「減少群では増大群やコントロール群に比べ歯列弓が小さく、AHIが高くなる」という仮説を検証する。さらに増大群では他の2群に比較しAHIが小さくなるかについて検証する。口腔内容積維持とOSAS罹患・重症化の関係性から、歯科的介入がOSAS予防に与える影響を検討する。
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Causes of Carryover |
現在のところ、申請時に購入を予定していたセファログラム分析ソフトウェアを用いずに既存の機器で対応が可能であることが判明したため、また研究は順調に進んでいるものの、申請時に発表を想定していた学会での成果発表が出来なかったことがその理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度は26年度に引き続きデータ採得および分析を行い、研究における必要性が明らかになった時点で上記分の研究費を使用する予定である。
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