2014 Fiscal Year Research-status Report
生理学的指標からみた手浴による温熱刺激の有効性に関する実証的研究
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26463205
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
工藤 由紀子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20323157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 真紀子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40289765)
長谷部 真木子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60241676)
杉山 令子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80312718)
菊地 由紀子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40331285)
石井 範子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10222944)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 看護技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
手浴は患者の日常生活を保障するうえで重要な看護ケアであると考える。しかし臨床の実態調査では90%以上の看護師が手浴の必要性を認識しているものの、実際は18%以下という低い実施結果にとどまっている(宮下,2008)。手浴が積極的に患者に提供されていない理由として、手浴による温熱刺激が生体にもたらす生理学的な影響に関するエビデンスがまだ明確になっていないことが挙げられる。湯に直接浸漬する手から肩部に伝達される皮膚温の変化と時間、血流量の変化、自律神経系への影響を解明することは、手浴の効果発現における特性を明らかにするためにも重要である。研究目的:手浴による温熱刺激が肩部の血流量,腕肩部の深部・皮膚表面温,自律神経活動および主観に及ぼす影響を明らかにする。 平成26年度は実験に使用する機器を購入し、サーモグラフィの研修会に参加した(日本アビオニクス、東京大学)。 <実験プロトコールの検討>研究計画では安静時間20分、手浴10分、その後のデータ収集時間60分としていたが、研究者間でプレテストを行い検討した結果、手浴後の皮膚温、自律神経活動がベースラインに戻るためには60~90分の時間がかかることが分かった。このため安静時間20分、手浴10分、データ収集90分のプロトコールに決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度はプロトコールの検討が主な目的であった。このためおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に研究者間で検討したプロトコールに基づき、データ収集を行う。データ収集時は、空調設備のある実習室を実験室として使用する。1人の対象者に対し手浴群、対照群を異なる日に順不同で実施する。あらかじめ肩部に血流量計、腹部に深部温計、耳朶にハートリズムスキャナーを装着し、サーモグラフィを対象が映る位置に設置する。手浴は座位で行い、40℃の湯の入った恒温槽を用意し両手を直接浸漬する。手浴による対象の快-不快の主観の測定には,心地よさ・腕~肩部の快適さ・身体全体の快適さの計3項目を用い、幅10cm のVisual Analog Scale で実験前後に評価を求める。データ収集は平成27年度を予定しているが、予定数に達しない場合は平成28年度も引き続きデータ収集を行うことが可能である。
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Causes of Carryover |
申請時よりも減額されたため、予定の機器よりも安価な機器を購入することとなった。このため残額が4万弱発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
感熱ロール紙、印刷用トナー、データ保存のためのSDカードなどの消耗品の購入に充てる。
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