2016 Fiscal Year Annual Research Report
Pattern Classification of Eye Movement and Analysis of Risk Prediction Ability in Nurses
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26463207
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大黒 理惠 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (70510345)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 危険予知力 / 観察力 / 判断力 / 眼球運動 / 看護師 / 認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請では、看護師の観察力や判断力、危険予知力の特徴を知るために、アイカメラによる眼球運動の測定と質問紙による観察前後の意識調査から、観察時の看護師の視覚情報の取り込みの特徴、及び、視線情報の取り込みから危険を認識し判断するまでの過程を明らかにすることを目的とした。 臨床経験10年以上の熟練看護師を対象とし、転倒・転落要因を含む患者のベッドサイド観察時の眼球運動を分析する際の注視定義について検討した。その結果、100ms以上の注視は1398回あり、熟練看護師の注視には偏りがあり、一般的に多いと言われる200ms程度の注視に加えて、100ms~165msにも32.3%の注視が存在し、特徴となることがわかった。また、200ms未満の注視は46.9%あり、注視定義を200msとすることでこれらの特徴が検出されなくなることが明らかになった。注視定義を100msとすることで、熟練看護師が行う「瞬時に観察する」、「短時間で観察する」ということを、これまでよりも、より正確に結果に反映でき、矛盾も解消できる可能性が示唆された。 さらに、新人看護師と比較すると観察開始後1秒間に熟練看護師の特徴があった。この特徴は、熟練看護師が観察前に設定事例の提示を受けると、より具体的な患者像を想起し、個別性に合わせた危険予知をする内容を挙げたり、過去の類似した場面や状況に関する知識や経験等から課題場面を具体的に想起したり、課題場面に存在する危険因子を想起できるということに熟達性を発揮することに裏付けられた。そして、この観察前に想起した内容を新人看護師に比べより眼球運動に反映させ、顕在する危険因子だけでなく、潜在する危険因子にも注視を向け課題場面全体の把握に努めていたことが明らかになった。
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Research Products
(3 results)