2014 Fiscal Year Research-status Report
視機能異常の患者に対応した、病院内の施設と接遇に関する指針の確立
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26463209
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松浦 正子 神戸大学, 医学部附属病院, 看護師 (30379440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 裕 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (20332281)
関口 紗代 神戸大学, 医学部附属病院, 看護師 (30722045)
菅野 亜紀 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (20457039)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 医療・福祉 / 看護学 / ユニバーサルデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
視覚障害は障害の種類や程度が個人毎に異なる。したがって、病院利用時の不便な点も患者によって異なることが予想される。本研究の目的は、色覚に障害を持つ色覚異常や視覚障害(全盲、弱視)といった広範な視機能異常の患者に対応した病院内の各種指針の確立、である。 今年度は、患者からの意見収集を実施し、色覚異常の患者向けの病院施設内の設備等改善を目的とした実験の準備を整えた。患者からの意見収集は、当院の患者サービス向上委員会の活動の一部である病院への投書を基に、色覚異常や視覚障害の患者に関する意見を調査した。その結果、病院内の点字ブロックに高齢者がつまずくという意見があった。この点に関して視覚障害者と意見交換したところ、解決策を見いだすことが非常に困難であることが判明した。今回の調査では色覚異常に関する投書はなかった。なお、これまでの患者サービス向上委員会の活動の中でも障害者や高齢者を含む弱者への対応について、第74回福祉情報工学研究会に招待されて講演を行った。 病院施設内の設備等改善を目的とした実験については、眼鏡型の色弱模擬フィルタを用意し、病院内を点検する準備を整えた。今後はこれを用いて、色覚異常の患者向けにカラーユニバーサルデザインの観点から病院施設内の配色に関して調査検討する。特に、病院施設内の案内表示、受付、診察室、待合室等を中心とした場所において、判別が困難な配色の検出に取り組む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
病院への投書を調査し、福祉情報工学の研究者や視覚障害者と意見交換した結果、設備の改善に関しては、障害者への対応が高齢者では問題点になり得ることが明らかになった。今後の研究にどう生かすかを考える必要がある。また、色覚異常の患者向けの設備改善に関して、調査検討に必要な器具を入手した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、(1)患者から意見収集を行い、視覚障害や色覚異常の患者に関する問題点を調査し改善を検討する。その際、他の障害を持つ患者や高齢者の存在を考慮する。また、(2)入手した色弱模擬フィルタを用いて色覚異常の患者向け改善点を収集し分析する。次に、(1)で収集した意見と(2)で得られた解析結果を、①設備に関するもの、②接遇に関するもの、に分類し、改善点を明らかにする。次に、それぞれの改善点についての対策方法を策定する。
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Causes of Carryover |
次年度に研究支援者を雇用して実験を実施することになったため。また、研究発表した学会の開催地が勤務地内であったため、当初予定よりも国内旅費にかかる費用が少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究支援者を雇用し、実験を進める。また、研究成果の発表・関連研究の情報収集のための旅費やその他物品費等で研究費を使用する予定である。
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Research Products
(2 results)