2015 Fiscal Year Research-status Report
視機能異常の患者に対応した、病院内の施設と接遇に関する指針の確立
Project/Area Number |
26463209
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松浦 正子 神戸大学, 医学部附属病院, 看護師 (30379440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 裕 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (20332281)
池上 峰子 神戸大学, 医学部附属病院, 看護師 (80379453) [Withdrawn]
関口 紗代 神戸大学, 医学部附属病院, 看護師 (30722045) [Withdrawn]
菅野 亜紀 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (20457039)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 医療・福祉 / 看護学 / ユニバーサルデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
視覚障害は、その種類や程度が個人毎に異なる。したがって、視覚障害にとっての病院利用時の不便な点は患者により異なる。そこで本研究の目的は、色覚に障害を持つ色覚異常や視覚障害(全盲、弱視)といった広範な視機能異常の患者に対応した病院内設備の各種指針の確立、である。 今回、病院施設内のカラーユニバーサルに関わる設備等改善点を明らかにすべく、調査研究を実施した。具体的には、色弱者、弱視者、白内障患者を想定対象とし、正面玄関や総合案内など多数の来院者の目に触れる病院内の掲示物を中心に、カラーユニバーサルデザインの観点から配色や字の大きさなど識別が容易か否かを検討した。具体的には、NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構が発行しているデザインガイドブックおよび自治体が発行しているガイドラインを参考に、調査研究の対象項目として24項目を作成し、評価は「問題なし」「どちらともいえない」「問題あり」「適用外」の4段階とした。この調査に際して、眼鏡型の色弱模擬フィルタを用いて色弱者等の見え方の擬似体験も取り入れた。この調査研究の結果、調査対象掲示物16点の約8割は調査項目の6割以上で問題がなかった。一方で、調査対象掲示物の5割以上が調査項目6項目に共通して「問題あり」又は「どちらともいえない」と評価された。これらの結果を基に、色弱者等が識別困難と考えられる書体(フォント)の種類や大きさ、図・記号の大きさ、配色の改善案を対象掲示物毎に作成し、改善案の全体の概要をまとめ、病院内の掲示物を検討する委員会に報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
色弱を含む視機能異常の来院者向けの設備改善のための調査を実施した。その結果を基に案内板や掲示物を作成または修正する際の検討項目をまとめた。また、研究代表者は病院内の掲示物を検討する委員会の委員であることから、今回の調査結果を報告し、対応案を提案した。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の調査結果を精査し、病院内設備の改善案に加えて、指針の策定に向けて改善への対策方法も検討する。必要に応じて病院内設備の追加調査を実施する。
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Causes of Carryover |
人件費や旅費が当初の見積額より少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査結果のまとめや病院内設備の改善案作成の補助のため、研究支援者を雇用する。研究成果の発表・関連研究の情報収集のための旅費で研究費を使用する予定である。
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