2016 Fiscal Year Annual Research Report
Morphological study of angiogenesis and type III collagen synthesis in diabetic wound healing
Project/Area Number |
26463213
|
Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
林 弘之 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80121028)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金村 尚彦 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (20379895)
武田 美津代 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (90279852)
成瀬 秀夫 東京有明医療大学, 保健医療学部, 教授 (40563416)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 創傷治癒 / 血管新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病では創傷治癒の遅延が起こることがよく知られている。その原因の一つに血管新生の遅延があげられている。しかし、血管新生の遅れと創傷治癒の遅れの因果関係を形態学的に検討されている研究は少ない。そこで我々は糖尿病における血管新生と創傷治癒に欠かせないコラーゲン新生、特に幼若なコラーゲンとされるⅢ型コラーゲンの形成について形態学的に検索し、血管新生とコラーゲン形成に関する関連性を検討した。さらに新生された血管に血流が存在するか否かも内皮細胞に特異的に結合するトマトレクチンをもちい検討した。 実験にはKK-Ay/TaJcl系糖尿病雄マウスを用い、血管新生には抗VEGF抗体、血流開始にはトマトレクチン(Lycopersicon esculentum)、Ⅲ型コラーゲンの形成には抗Ⅲ型コラーゲン抗体を用い免疫組織学的に検討した。 その結果、糖尿病マウスにおける創傷治癒過程での血管新生は正常マウスよりも2~3日遅れるのが観察された。さらに新生された血管に血流が認められるのはさらにそれより1~2日遅延していた。創傷治癒に必要なⅢ型コラーゲンの形成はこの血流開始と一致して認めることができた。これらのことより、糖尿病マウスにおける創傷治癒の遅延の原因は血管新生の遅れと、さらに新生された血管内の血流開始の遅れにより、創部に必要な栄養成分を運ぶのが遅れることが創傷治癒遅延の一つであることが推察された。すなわち、本研究により新生血管内の血流開始遅延が糖尿病における創傷治癒の遅延の一つであることが形態学的に確認された。
|
Research Products
(2 results)