2014 Fiscal Year Research-status Report
情報プライバシーに基づいて電子カルテ画面を一部非表示にする方法の検討
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26463224
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
新實 夕香理 藤田保健衛生大学, 医療衛生学部, 講師 (20319156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 勝正 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60194156)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 電子カルテ / 表示方法 / 情報プライバシー / 情報共有 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、電子カルテ画面について、患者自身の情報プライバシーに対する意向を反映した患者情報の画面表示法を検討し、その方法(見せ方、隠し方)の医療の質や安全に与える影響を明らかにした上で、患者側の評価を踏まえて、医療者側の情報の必要性と患者のプライバシー保護を両立できる電子カルテ画面の表示法を検討することである。これまでに、患者の情報プライバシー対する意向を反映する電子カルテ画面の表示方法についての医療従事者の意見を明らかにしてきた。 患者が知られたくないと思うカルテ情報の一部にモザイクを掛けて画面を開いた時に医療従事者にその情報が一時的に見えないようにした模擬電子カルテ画面を用いてインタビュー調査を行った結果、治療に関連した情報は一時的であれ隠されることにより医師、看護師など様々な職種において質と安全面で業務遂行に支障を来すことが明らかになった。一方で、カルテ情報を一時的に非表示にする範囲の設定には、患者との関係性(直接受け持っているかどうかなど)が強く影響すると予測していたが、患者との関係性についての配慮はそれ程必要がないことが示唆された。 当初予定していた患者対象のインタビュー調査が若干遅れているが、電子カルテ画面の表示方法に対する患者側の評価と要望について明らかにすることを目的として、入院経験のある患者を対象にした半構成的インタビュー調査を進める。患者のプライバシーに対するニーズ関しては、入院患者プライバシー測定尺度PIPSとその簡易版を基に再編集した「患者プライバシーチェックリスト」により把握することとし、模擬電子カルテ画面を操作してもらいながら患者自身のプライバシーへの配慮に関する意向および電子カルテ画面の一部非表示化という方法の有効性について明らかにしていく。 また、国内外の学会においてこれまでの研究成果の一部を発表し、有用な意見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
倫理審査上の遅れがあったため、当初計画していた調査開始時期よりも遅れて開始することになった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度内に倫理審査の承認までが得られなかったため、当初の計画からやや遅れている。このため、承認が得られ次第、調査依頼をし、協力の得られた施設での調査を順次実施し、平成28年3月までに調査が完了できるようにする。 また、平成27年度に開催される2015 Summer Institute in Nursing Informaticsに参加し、この研究課題に関する最新情報を収集し、看護情報学専門家らと意見交換をし、今後の計画に役立てる予定である。
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Causes of Carryover |
患者を対象としたインタビュー調査を計画していたが開始できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
患者を対象としたインタビュー調査の倫理申請の手続きが遅れたため、本年度に計上していた物品費、国内旅費、データ整理の謝金などの予算を平成27年度に使用することを予定している。また、平成27年7月に開催される2015 Summer Institute in Nursing Informaticsでの情報収集、看護情報学専門家との意見交換によって今後の研究のための貴重な知見が得られると考え、次年度使用額の一部を旅費に充てる。
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