2016 Fiscal Year Annual Research Report
A study on a method of partially concealing the electronic patient record screen based on information privacy
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26463224
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
新實 夕香理 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (20319156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 勝正 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (60194156)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 情報プライバシー / 電子カルテ / 表示方法 / 情報共有 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、患者の情報プライバシーに対する意向を反映した電子カルテ画面を検討し、その方法(見せ方、保護の仕方)による医療の質や安全に与える影響を明らかにした上で、患者側の評価を踏まえて、医療従事者側の情報の必要性と患者のプライバシー保護を両立できる電子カルテ画面の表示方法を検討することを目的としている。 平成28年度は、協力の得られた13か所の医療施設において質問紙調査を実施した。対象は、電子カルテシステムの利用歴が1年以上ある看護師、医師、薬剤師、理学療法士などの医療従事者であり、患者の知られたくない情報をモザイクによって部分的に非表示にするシステム(開発中)に対する評価を実施した。なお、非表示情報を閲覧する際には、一括表示ボタンへのクリックまたはモザイク部へのクリックが必要となる。 436名の医療従事者から回答を得ることができ、その7割が看護師であった。本表示システムの臨床現場への導入について、全体の約3割が受け入れることができ、全体の約6割が患者のプライバシー保護に役立つだろうと回答した。また、約3割が「医療の安全を重視し、すべての職種に均等に表示されるべきだと思うが、厳選された個人情報であれば異なって表示されることがあってもよいと思う」に回答した。日常業務の安全のために常に表示したい情報として、回答者の8割が「感染症情報」「病名」「現病歴」を挙げていた。一方で、8割が「学歴」「収入・家計上の問題」に関する情報は非表示が可能であると回答した。およそ半数の回答者は、プライバシー情報を閲覧する際に必要となる手続き(一括表示ボタンへのクリックまたはモザイク部へのクリック)を希望したため、患者のプライバシー保護を尊重する態度を窺うことができ、本表示システム導入の可能性を示唆するものと考える。 国内外の学会において、研究成果の一部を発表し有用な意見を得ることができた。
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