2016 Fiscal Year Research-status Report
看護師のキャリア開発に資するPBLを活用した教育プログラムの検証
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26463239
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
鈴木 玲子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (20281561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常盤 文枝 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (00291740)
安部 陽子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (30629449)
西田 乃生子 (山口乃生子) 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (70381431)
中澤 良子 (大場良子) 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (80381432)
宮部 明美 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (10708522)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 中堅看護師 / キャリア開発 / PBL / 臨床教育力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、看護師の継続教育におけるキャリア開発支援方法として、看護基礎教育で広く浸透しているPBL(Problem based Learning)教育の活用した教育プログラムを実施して、その効果を検証する。 平成28年度は、調査が遅れていた1都3県の100床以上の医療機関731施設に対する質問紙調査を実施した。医療機関に勤務する中堅看護師に対する現任教育プログラムを分析することで、中堅看護師に求める教育力と研修の現状を把握した。調査票の回収は78部(回収率10.6%)で、回答に不備があったものを除外して75部を分析した。中堅看護師対象の研修は平均10.6件/年開催されており、研修の総時間は平均53.8時間だった。研修目的の1/3は看護実践における最新の知見やケア方法に関するものであった。詳細な分析を進めているところである。 また医療機関をフィールドとして中堅看護師に向けた課題解決型の教育研修介入研究については、A病院看護部と研究者らで協同して企画したPBLを活用した研修プログラム「エデュケーションナース養成」を用いて、介入結果よりプログラムを評価した。 院内看護師研修を利用して、計5回開催し、研修前、研修中、研修後の3時点において質問紙調査を実施した。質問紙の内容は、課題発見、問題解決、グループ討議のスキルに関する設問、批判的思考態度尺度(CTSNE)(常盤ら,2010)、社会的基礎力尺度(北島ら,2011)で構成したものである。対象18名の質問紙調査結果は、CTSNE得点平均および社会人基礎力得点平均は、研修前・中・後で有意差はなかった。下位尺度別では、研修が進むにつれ平均値が低下する項目あるいは有意な上昇がみられるものがあった。今回の介入結果から、グループ討議スキルと、課題発見、問題解決スキルで変化が異なったことから、その要因を見据えて研修プログラムを修正する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に取り組む予定であった中堅看護師の現任研修実態調査が完了できた。引き続き、調査結果の分析が完了次第、学会発表、論文作成に入る準備に入る段階となった。またPBLを活用した研修プログラム「エデュケーションナース養成」についても介入研究を開始できたことから順調に研究を進めることができたため、研究の達成度としては(2)と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)昨年度の医療機関に勤務する中堅看護師教育研修の実情調査を分析し、中堅看護師に求められる教育力をはじめとしたスキルについて考察し、学術集会での発表、学術論文の作成に着手する。 (2)H28年度に実施した医療機関での中堅看護師研修プログラム「エデュケーションナース養成」の内容にいて、分析結果および上記(1)の調査結果を踏まえて、改訂版中堅看護師研修プログラム「エデュケーションナース養成」を策定する。改訂版プログラムを用いて、研究協力フィールドである医療機関で、再度の介入研究を実施する。PBLを活用した看護師教育プログラムを受けた看護師の教育効果を測定できる評価尺度については、新たな測定尺度についても再検討する予定である。
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Causes of Carryover |
前年度助成金に残高が生じた理由は、初年度からの研究スケジュールの遅れから、成果発表報告が遅れて旅費の支出が少なかったことが主な要因である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H29年度には研究成果発表の機会も多く計画していることから、旅費の支出として使用予定である。
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