2014 Fiscal Year Research-status Report
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26463251
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Research Institution | Hirosaki Gakuin University |
Principal Investigator |
工藤 千賀子 弘前学院大学, 看護学部, 講師 (70405728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 菜穂子 弘前学院大学, 看護学部, 助教 (30550842)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 看護場面の方言理解 / 言語獲得過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
看護基礎教育機関の看護系教員と最終年次の学生を対象に、方言理解の実態と方言を使用することに対する意識を明らかにする目的で、調査を実施した。対象は、文部科学大臣指定(認定)医療関係技術者養成学校一覧(平成24年5月1日現在)に記載されている看護師学校のうち、調査に同意が得られた「看護師学校(大学)」17校、「看護師学校(短大)」4校であった。 回収数は、看護系教員108部、学生441部であった。その結果、看護教育場面で方言が聞き取れない経験があったと回答した教員の割合は43.5%、学生の割合は31.3%であった。聞き取れなかった対象者は、教員、学生ともに「臨地実習における(学生の)受け持ち対象者」が最も多かった。 聞き取れなかった語彙は、「身体語彙」、「動作語彙」、「人間関係語彙」、「症状語彙」「感情語彙」に回答が得られ、教員・学生のいずれにも「病名語彙」の回答はなかった。また、具体的に聞き取れない語彙の記載を求めたが、「訛り」や「○○弁」という記載もみられた。学生については、中学まで居住していた地域と現在看護教育を受けている地域との違いと理解が困難な経験の有無との関連では、地域が違う学生において、有意に理解が困難な経験をしていることが明らかになった。また、地域が同じ学生であってもなお、理解が困難な経験を有していることが明らかになった。 学生の調査結果から、臨地実習における看護の対象者が方言話者の場合、対象者を理解する手がかりとなる言語的訴えを理解しているとは言えず、信頼関係の構築に支障をきたす可能性が示唆された。教員の調査結果からは、臨地実習における看護現象を教材化していくために、対象者の話し言葉である方言を理解する必要性が示唆された。 今後、方言を使用することに対する意識の実態を集計することと、看護系教員のインタビュー調査を実施していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に計画していた看護系教員及び看護学生を対象とした「調査の実施」は計画通り行った。結果の分析中、「方言理解の実態」については実施したが、「使用に関する意識」については、現在進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に計画している看護系教員対象の面談インタビューの実施向けて調整中である。調査データのうち、各語彙の整理分析は進行中である。
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Causes of Carryover |
調査協力施設及び対象者数が、計画を下回ったため郵送費・印刷費等の支出が、計画した額を下回った。また、資料整理・調査データ入力を研究分担者が行い、補助のための人件費を支出しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
インタビュー調査協力者が計画を上回っているため、国内旅費や、お礼状・成果物の発送ののための通信費として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)