2015 Fiscal Year Research-status Report
冠動脈疾患患者のメンタルヘルスを支援する看護師教育プログラムの評価
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26463258
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
山田 緑 東邦大学, 看護学部, 准教授 (00339772)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 看護師教育プログラム / 冠動脈疾患患者 / メンタルヘルス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、冠動脈疾患患者の心理的な問題が患者の健康に大きな影響を及ぼすことが明らかにされてきたが、その問題を解決するための援助に関する看護師への教育プログラムの開発と評価はほとんど行われていない。そこで本研究は、第 1 に、循環器看護に携わる看護師を対象とした教育プログラムの具体的実践に関する基礎調査を行い、冠動脈疾患患者のメンタルヘルスを支援する看護師の教育プログラムの内容・要素について分析を行う。第 2 に、臨床現場の看護師の認識について実態調査を行う。第 3 には、冠動脈疾患患者の心理的な問題とメンタルヘルス支援に関する看護師への教育プログラムを開発する。最終的には、看護師を対象に教育プログラムを用いた介入研究を実施し、その前後比較を通して教育プログラムの評価を行う。 2年目となる今年度は、臨床現場の看護師を対象に、冠動脈疾患患者への心理・社会的サポートの実態と、看護師が冠動脈疾患患者の心理的な問題をどのように認識しているかについて把握することを目的に質問紙調査を実施した。関東圏内4つの病院に勤務する看護師を対象に質問紙1,224部を配布し、回収数は473部であった(回収率38.6%)。有効回答数は468部であり、有効回答率は98.9%であった。調査の結果、7割以上の看護師が日々の実践の中で冠動脈疾患患者を受け持っているものの、メンタルヘルスを支援する看護の実践頻度は低く、かつ実践している内容に自信がないと答えた者が半数以上いた。 この調査を通して、冠動脈疾患患者のメンタルヘルスを支援する看護師教育プログラムの考案と検討を重ねた。作成した教育プログラム案は、看護研究者及び看護実践家のレビューを受け、実践に適用できるように構造化した。現在、プログラム案の妥当性・実行可能性に関する更なる検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的に沿って、計画的に資料の収集や分析を遂行しているので、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成 28 年度は、本研究の最終年度として、循環器看護の分野における新たな知見を提供するため、介入研究の実施とデータ分析に主力をおく。研究成果については、学会発表、あるいは Web による発信という形で公開する。 1.冠動脈疾患患者のメンタルヘルスを支援する看護師教育プログラムの実施 看護師を対象とした教育プログラムを用いて介入研究を実施する。対象者は臨床現場で働く看護師とする。プログラム参加に関する募集を行い、自主的に募集に応じ研究承諾の得られた者を対象とする。成果変数に関しては、経時的な測定及び評価を行う。研究課題の計画的な推進のために、プログラムの実施にあたっては、その運用方法、対象者への説明、連絡・相談体制の確立など、効果的な連携を図るための方策について討議し実用化する。 2.冠動脈疾患患者のメンタルヘルスを支援する看護師教育プログラムの評価 看護師教育プログラムの有用性を明らかにするために、収集したデータは統計ソフト SPSSにて分析を行い有意水準は 5%を採択する。データ変化を検討するため、繰り返しのある一元配置分散分析を行う。また、多時点比較はTukeyの多重比較を用いる。本研究の成果については、学会や研究会等で発表し、報告集あるいは一般向けの刊行物として公開する。
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Causes of Carryover |
平成27年度の研究費の未使用額は、質問紙調査で当初予定していたサンプル数より調査対象者数が減少したために生じたものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度はほぼ計画通りに使用したため、少額の未使用額と併せて、平成28年度は質問紙調査費用の他、主に学会参加費、研究成果の論文投稿費用等に充てる。
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Research Products
(3 results)