2016 Fiscal Year Annual Research Report
Influence of Fundamental Competencies for Working Persons on Burnout in New Gladuate Nurses.
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26463281
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
糸嶺 一郎 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00338013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 英子 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (20299879)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 新卒看護師 / バーンアウト / 社会人基礎力 / 職場適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
新卒看護師のバーンアウト予防の一助とするため、「新卒看護師の社会人基礎力がバーンアウトに与える影響に関する縦断研究」を実施した。 はじめに、現段階では新卒看護師に適用できる尺度がなかったため、「新卒看護師における社会人基礎力の尺度の信頼性と妥当性の検証」として、新卒看護師300名を対象とした調査研究を実施した。その結果、尺度としての信頼性(Cronbachα係数0.94)と妥当性が確認されたため、その結果を日本保健福祉学会学科誌に投稿した。 引き続き、「新卒看護師の社会人基礎力とバーンアウトとの関連」として就職後3ヶ月目の時期に横断研究を実施した。全国の公立病院のうち、400床以上の病院全ての新卒看護師を対象とし、1238人から有効回答が得られた(有効回答率54.3%)。重回帰分析の結果、新卒看護師のバーンアウトに関連のあった要因は、社会人基礎力、転職希望、職場への不満であり、社会人基礎力が最も強く、「-」の関連性を示していたことから、社会人基礎力が高いとバーンアウト得点は低い、という関連がわかった。 横断研究の対象者にコホートを設定して7ヵ月間追跡した「新卒看護師の社会人基礎力がバーンアウトに及ぼす影響」を縦断研究として実施した。有効回答者の中で,コホート集団においてマッチングできた者は945人(追跡有効回答率87.3%)であった。重回帰分析の結果、バーンアウトに最も影響を与えていた要因は、横断研究同様に社会人基礎力であった。このことから、就職3ヶ月目に社会人基礎力が高い者は、バーンアウトに陥らないことが明らかとなり、社会人基礎力を学生時代から意識的に育成することが、新卒看護師のバーンアウトの予防に寄与する可能性が示唆された。 なお、これらすべての研究は、国際医療福祉大学大学院の倫理審査委員会の承認を受けて実施した。
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