2015 Fiscal Year Research-status Report
介護をしながら働く女性看護師のワーク・ファミリー・コンフリクトの規定要因と課題
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26463285
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
高林 知佳子 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (20637631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪倉 繁美 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (00521303)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ワークファミリーコンフリクト / 介護 / 両立 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、26年度に行った介護をしながら働く女性看護師へのインタビュー調査の結果と国内外の文献検討をふまえ、「介護をしながら働く女性看護師のワーク・ファミリー・コンフリクト尺度原案」を作成し、その信頼性と妥当性を検討した。 尺度の項目は、「仕事の役割のために介護の役割が十分果たせない葛藤」9項目、「介護の役割のために仕事の役割が十分果たせない葛藤」9項目、「介護の役割のために家庭の役割が十分果たせない葛藤」6項目、「家庭の役割のために介護の役割が十分果たせない葛藤」6項目の計30項目とした。 探索的因子分析(最尤法、プロマックス回転)の結果、16項目3因子が抽出され、2因子に分かれるべき「介護の役割のために仕事の役割が十分果たせない葛藤」4項目と「介護の役割のために家庭の役割が十分果たせない葛藤」4項目がまとまった1因子として抽出された。3因子を下位尺度とした場合のクロンバックα係数は0.85~0.88、4下位概念項目のクロンバックα係数は0.76~0.88であり、いずれも一貫性があるとみなされた。また探索的因子分析から得られた3因子相関モデル、尺度原案の概念モデルに倣った4因子相関モデルについて、それぞれに確認的因子分析(推定方法:最尤法)を行った結果、χ2値/自由度=2.56、CFI=0.95、SRMR=0.043、RMSEA=0.063、AIC=326.84と4因子相関モデルの方が適合度は良好であった。4因子と多次元的ワーク・ファミリー・コンフリクト尺度、CES-D日本語版20項目、簡約版蓄積疲労徴候スケール18項目とのすべての項目間で正の関連がみられ、4因子と職業性ストレス尺度JCQ日本語版22項目における上司サポートとのすべての項目間で負の関連がみられたことから、最終尺度案を4因子構造(各4項目)による16項目とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各16項目の重みつきκ係数及び4下位概念別の級内相関係数を算出し、安定性を検討する調査が27年度中に実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度は、16項目の安定性について検討した上で、「介護をしながら働く女性看護師のワーク・ファミリー・コンフリクト尺度」並びに家族状況、介護状況、職場の支援状況、社会資源の活用状況等も含めた全国調査を実施し、介護をしながら働く女性看護師のワーク・ファミリー・コンフリクトの規定要因を明らかにしていく予定である。
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Causes of Carryover |
信頼性と妥当性を検討する全国調査では、母集団の数が推計できたことを受け、必要な標本数は384と計算された(当初の計画では130としていた)。加えて、回収率がかなり低いことが予想されたため、配布数を大幅に増やす計画に変更した(260病院配布→1500病院配布)。このため、郵送料を安価にするために、ゆうメールを利用することとしたが、発送にかかる費用(郵送料、発送準備料)及びデータ入力のための人件費、返信用料金後納郵便料金が増額することになるため、平成28年度の経費から前倒しを行った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
信頼性と妥当性を検討する全国調査では、1500病院に調査票を配布し、回収した520票の入力を実施した。
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