2014 Fiscal Year Research-status Report
看護職者の職業被ばくに関する知識および防護行動実態調査と安全教育プログラムの開発
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26463288
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
白鳥 さつき 愛知医科大学, 看護学部, 教授 (20291859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 ふみ子 愛知医科大学, 看護学部, 教授 (10276876)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 看護管理者 / 職業被ばく / 医療被ばく / 核医学検査 / Oncology Nursing Society |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は甲信越地方の承諾の得られた20施設の看護管理者58名を対象として職業被ばくに対する組織的取り組みと看護管理者の職業被ばくへの認識を明らかにする目的で郵送法による調査を実施した。結果、回収数は31部(53.0%)、有効回答数は29部(50.0%)であった。職業被ばく予防に関するマニュアルは78%以上が整備されており、放射線診療部に勤務する看護師の定期検診は90%の施設が実施していた.しかし,定期な研修会はわずか12.3%という実施率であった.一般病棟における看護師の職業被ばくの危険性については,管理者の29.8%が「大変高いと思う」、43.2%が「わからない」、27.0%が「被ばくのリスクはないと思う」と回答した.核医学検査を受けた患者への医療被ばくに関する教育指導については,69.3%が「十分ではない」と回答した.これらの結果かから,看護管理者は部下の職業被ばくのリスク状況を十分把握していないことや定期的な研修会の実施率が低いことがわかった.管理者自身が職業被ばくに関する専門的知識を得る必要性と組織的な教育体制改善の必要性が示唆された.米国では,Oncology Nursing SocietyによるManual for Radiation Oncology Nursing Practice and Education がホームページにも掲載されており、徹底した被ばく予防に取り組んでいた.調査にあたり,ケースウエスタンリザーブ大学の専門家よりスーパーバイズを受け,その内容を質問紙に反映し,放射線診療に携わる看護師を対象とした実態調査を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
26年度は日本全国の病院の放射線診療に携わる看護師および看護管理者を対象とした調査と実践している看護師へのインタビューを予定していた.しかし,質問紙の内容の検討と精選に時間を要したこと,米国の職業被ばく予防の実際を参考にする予定があったため予定より半年遅れとなった.甲信越地方の管理者を対象とした前調査の結果と米国 Oncology Nursing Societyの職業被ばく予防のマニュアルの内容を参考にした質問紙が完成したため,発送作業中である.
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Strategy for Future Research Activity |
調査結果を分析し,28年度までには看護師を対象とした職業被ばく予防の研修会を企画する予定である.また,看護基礎教育に必要な内容を吟味し,看護協会を通じて近隣の看護師養成校に発信する予定である.
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Causes of Carryover |
全国の病院の看護管理者および看護師を対象とした調査の実施が半年遅れたため、27年度は印刷費,郵送料とこれらの作業にかかるアルバイト料が生ずる.また,返送された質問紙の整理とデータ入力を業者に委託する料金が発生する.データ分析には統計ソフトSPSSを購入予定である.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
全国の病院の看護管理者および看護師(4000人)に対する質問紙の印刷と発送作業にかかるアルバイトの雇用,切手代400,000円程度.返送された質問紙の整理とデータ入力の委託料.データ分析のための統計ソフトの購入に250,000円程度,海外の学会への発表にかかる渡航費,学会参加費などで20,0000円程度を予定している.
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