2015 Fiscal Year Research-status Report
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26463292
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
増野 園惠 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (10316052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 史博 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (00584210)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 看護組織 / 参加的意思決定 / shared-governance |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度の調査に引き続き、看護管理者を対象としたインタビューを実施した。前年度と合わせて計11名の看護管理者が対象となった。インタビューでは看護管理者が典型的と捉える参加的意思決定について語ってもらい、どのように組織メンバーの参画を得た意思決定を実施しているか、参加的意思決定を進める上で課題と捉えていることは何か尋ねた。そして、対象者の語りを質的に分析し、看護管理者が参加的意思決定を活用する背景や意図、参加者への働きかけ、課題を抽出した。分析の結果、看護組織において実施される参加的意思決定の【典型的な活動】には<部署目標の決定><急を要さない問題解決><組織的取り組みの具体策検討><スタッフからの要望の具体化>の4つがあった。これらの参加的決定には、<価値観が一致している>など8つの【参加的意思決定成立の条件】、<現場のことは現場がよくわかっている>など6つの【参加的意思決定を用いる理由】、<現場に出向き状況をつかんでおく>など6つの【日常的取り組み】、<組織の方針・方向性を示す><意図や理由、期限を明確に伝える>など16の【参加的意思決定を促進する関わり】が関連していることが明らかとなった。また、参加的意思決定のよる【成果】としてはスタッフに<責任ある行動>など6つが認知されていた。さらに参加的意思決定を実践する上での【課題】としては、スタッフ側の課題と組織/管理者側の課題がそれぞれ6つ指摘された。前年度の調査から、Shared-governanceが参加的意思決定の前提として重要であることが明らかとなっていた。看護管理者が参加的意思決定を用いる理由や成立条件と捉えるものには、Shared-governanceにつながる項目が多くみられる。日本でもShared-governanceが参加的意思決定の実行に関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までのところで、当初予定していた看護組織における参加的意思決定の1)実態と課題の明確化、2)成立の前提条件、構成要素、影響要因等の明確化まで進んでいる。次年度の参加的意思決定モデルの検証に向けて、項目の精錬を進めており、概ね予定通りに進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
H28年度は、最終年度であるため、研究目的である看護組織における参加的意思決定の説明モデルの作成と検証を行う。前年度までの結果から、看護組織における参加的意思決定の実施状況および関係者(看護管理者および看護スタッフ)の認知、状況要因等との関係を定量的に調査する質問紙を作成し、調査を実施する。調査結果から関連要因・構造要素などの関係を明らかにし、看護組織における参加的意思決定の説明モデルを完成させる。研究の推進にあたっては、前年度に引き続き、臨床の看護管理者に研究協力者として協力を得る。また、看護管理学・経営学等の専門家の助言を得て進めていく。さらには、データ収集・データ整理については、大学院生等の研究補助者を得て、研究のスムーズに進める努力をする。
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