2015 Fiscal Year Research-status Report
ICU看護師の臨床判断能力を育成するシミュレーション教育方法の実施と評価
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26463311
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
田口 智恵美 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (80555300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 まゆみ 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (10251191)
三枝 香代子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (80248864)
浅井 美千代 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (20212467)
塩原 由美子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (20555297)
大内 美穂子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (30614507)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シミュレーション / ICU看護師 / 新人研修 / IABP |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、ICU看護師の臨床判断能力を育成するシミュレーション教育プログラムによる研修(以下、シミュレーション研修)を実施することを目的に研究活動を行った。 まず、共同研究者で構成される研究会を5回、看護専門看護師を含む熟練看護師3名を加えた実施部会を6回開催し、シナリオ、シミュレーションアウトライン、シミュレーションアルゴリズム、事前学習内容、事前事後テストについて、効果的、かつ、より実践に近い内容になるよう検討し、シミュレーションのαテストを実施した。また、シミュレーションに関する基本的知識と技術を身につけるために、研究代表者、共同研究者1名、熟練看護師3名は、国内で開催されたシミュレーションに関する研修会に参加した。 シミュレーション研修実施にあたり、研究代表者の所属施設の研究倫理審査委員会の承認を得た。その後、千葉県内の2病院の協力のもと研修受講者のリクルートを行い、ICU経験2年目の看護師6名から研究協力の同意を得た。 研修場所は研究代表者が所属する大学施設の看護実習室を使用した。シミュレーターはLeardalMedical社のSimMan3G、IABPはMaquet社CS3000を手配した他、CPS、酸素マスク、吸引セット、微量輸液ポンプ、モニター等の器材を準備し、IABPカテーテルも実物を使用した。モニターには心電図波形、心拍数、動脈圧波形と血圧値、酸素飽和度、呼吸数等を表示した。 シミュレーション研修は、2つのシナリオ含み、1日1シナリオ(約150分)を実施する2日間のプログラムであった。プログラムは、①事前学習、②確認テスト、③ブリーフィング、④シミュレーションの実施、⑤デブリーフィング、⑥シミュレーションの再実施、⑦フィードバック、⑧確認テスト、で構成された。受講者の同意を得て②~⑧までビデオ録画し、研修後に簡単なアンケートと半構造化面接を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、シミュレーション教育プログラムを活用した研修を行い、研修評価のためのデータ収集と分析まで行うはずであった。しかし、実際はデータ収集の一部(研修3か月後のアンケート)が終わっておらず、分析ができていない。また、ファシリテーターに必要な能力についてのグループインタビューを研修最終日に行ったが、研修による心身の疲労に配慮し中断した。心身が最適な状態でデータを提供してもらうために、後日改めてグループインタビューを実施することになり、平成28年度に実施するよう日程調整をした。 以上のような理由でやや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、収集したデータを分析し、実施したシミュレーション教育プログラムの評価を行う。また、プログラムを実施する際に必要なファシリテーターの能力について検討する。それらの結果をもとに、シミュレーション教育プログラムを修正し、再度研修を実施する。
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Causes of Carryover |
今年度実施したシミュレーション研修のデータを分析し、その結果をもとにシミュレーション研修のプログラムを修正する。修正したプログラムによるシミュレーション研修を実施し、評価するためのデータを収集する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、録音したインタビュー内容を業者に依頼して逐語録を作成するために委託費が必要である。また、逐語化された内容をもとに分析する過程では、分析方法や分析結果を共同研究者で共有しプログラム修正に向けた検討をするための会議費が必要である。また、最新のシミュレーション教育内容にするために情報収集が必要であり、文献取り寄せや学会等への参加費を要する。さらに、シミュレーション研修を開催するにあたり、受講者リクルートに係る交通費、受講生に配布する資料の購入と印刷費、シミュレーションやIABPなどの備品レンタル費用、受講者の交通費、謝礼等が必要である。
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