2016 Fiscal Year Research-status Report
社会的弱者層結核患者のための教育ツール開発と治療アドヒアランス向上に関する研究
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26463314
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
秋原 志穂 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (30337042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 一美 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80415504)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 結核 / 患者教育 / 社会的弱者 / 生活困窮者 / DVD |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、活動性結核で入院となった社会的弱者(生活困窮者)が入院期間中に医療者から受けた結核治療と療養生活に関する教育について明らかにするために、支援者と患者にインタビューの続きを実施した。支援者は社会福祉施設の看護師、保健師、ケアスタッフと、行政保健師であった。患者はあいりん地域での拠点型DOTSを終了した者であった。 支援者側から見た患者の結核治療や療養生活についての知識や態度は十分とはいえないものの、拠点型DOTSを継続し完了することから、服薬の重要性は理解されていると感じていることが明らかになった。患者のインタビューからは、入院中に受けた教育の頻度や内容については明確にはならなかった。ほとんどの患者は教育を受けたことについてあいまいな記憶であった。しかし、全員が服薬を継続ことが重要であることの理解はしていたため、入院中に医療者や保健師から繰り返し服薬の重要性については説明を受けていたと考えられる。これらの研究結果から、社会的弱者である生活困窮の結核患者は入院中に教育を受けていても退院後の生活にあまり結びついてはいない可能性はあるが、最も重要な服薬継続については意識されているといえる。 社会的弱者用のDVD作成に関して、は主に生活困窮者が視聴するものとしてH23年度科学研究費補助金で作成したDVDを元にした短縮版を作成した。内容・項目を吟味し、10分程度で網羅できるように構成し、動画を作成した。特に高齢者が多いことを想定し、文字を大きくするなど工夫を行った。短縮版には、外国語のナレーションおよびテロップをつけ外国語版としても用いることができるようにした。外国語は中国語、韓国語、タガログ語、英語の4ヶ国語に対応している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
外国人を多く受け入れている研究協力施設が乏しく、外国人結核患者についての研究が実施できていない。そのため、先行研究や聞き取りの情報を参考にすることに留め、生活困窮者に合わせてた教育内容でDVD作成を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
社会的弱者結核患者教育用DVDの作成については完了した。次年度は、生活困窮者や外国人結核患者に対応している結核病院に配布を行い、DVDの評価を行う。
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Causes of Carryover |
社会的弱者結核患者用DVDの作成に時間を要したため、作成に至ったものの全国の病院への配布とその評価のための調査研究が実施できていない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度、社会的弱者を対象に本DVDの評価のための調査研究を行う。また、それに関する研究発表のために使用する。
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